「ミニバンって同じ車種なのに『8人乗り』と『7人乗り』の設定があるけど何故??」
「定員は少ないより多いほうが得だよね。え?7人乗りは『キャプテンシート』?8人乗りにはキャプテンシートは無い?」
「ところで『キャプテンシート』ってなんだろう?」
ネットでミニバンを探していると「知ってて当然でしょ」くらいな勢いで並び立てられる専門用語の数々・・・
クルマにあまり興味が無いあなた。
また、今回ミニバンを買うのが初めてのあなた。
わからない用語には解説がほしいところだと思います。
今回は「キャプテンシート」に纏わる(まつわる)疑問と使い勝手を親切丁寧に解説したいと思います。
Q:キャプテンシートとは何か?
キャプテンシートとはズバリコレ!↓
2列目シートが左右独立していて、それぞれに肘掛けが付いたゆったり座れる椅子。
語源は船舶の操舵手後ろに座る船長(キャプテン)の椅子から由来しております。
キャプテンシートに対し「ベンチシート」はこんな感じ↓
(クルマで言う「ベンチシート」は一般的には1列目のシートの運転席と助手席が繋がっていてベンチ状になっているものを指します。その為グーネット(Goo-net)やカーセンサーに記載されている「ベンチシート」はほとんどの場合で1列目シートの形状を表しております。しかし、2列目の左右シートがベンチ状に繋がるものも「ベンチシート」と云います。今回のお話の「ベンチシート」は2列目シートの事になります。)
「キャプテンシート」と「ベンチシート」、それぞれのメリット・デメリットは?
キャプテンシート車の場合、下図のような乗員配置となります。
それに対し、ベンチシートの場合は下図のような配置。
- キャプテンシートのメリット
-
- 乗車定員が少ない分満員でもゆったり座れる。
- 左右シートの隙間(ウォークスルースペース)を通って3列目シートに行き来できる。
- 走行中の左右の揺れに対して、両サイドにある肘掛けで身体を支えられるので疲れにくい。(車種によっては肘掛けが無いものも有り)
- 車種によってはリビングのリラックスチェアのような使いかたもできる。
- キャプテンシートのデメリット
-
- ベンチシート車よりも乗車定員が1名少なくなる。
- シートアレンジのパターンが少ない。
- ベンチシートのメリット
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- 対面シートにできる。(できない車種も有り)
- フルフラットシートにできる。(できない車種も有り)
- 赤ちゃんが居る場合、オムツ替えなどのお世話がやりやすい。
- 乗車定員は8名まで乗れる。
- ベンチシートのデメリット
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- 車内で2列目から3列目に移動しようとする時とても困難。車種によっては一度車外にでなければならない。
- 外から3列目シートに乗車する際も2列目シートを前にスライドさせなければならないという手間がある。
- Q:キャプテンシートのほうが上級グレードってホント?
- 一般的にクルマの乗車定員は少なければ少ないほど高級車扱いされます。(スポーツカーは除く)例えばアルファードには特別仕様車「ロイヤルラウンジ」というグレードがあります。
これは数年前アルファード10系が新車販売されていた頃、最も安いグレード「AX」の270万円から、最も高い「MZ-Gエディション」の436万円という価格帯の中、オプション無しでも約630万円、フルオプションでおよそ800万円という高額設定でした。
普通「ミニバン」と言えば広くてたくさんの人が乗れるというイメージです。
しかし、この「ロイヤルラウンジ」の乗車定員は僅か「4名」でした。
1列目のシートは普通のアルファードと同じようなイメージですが、3列目シートは存在せず、2列目がまるで超高級ホテルのラウンジに置いてある豪華なソファのようなシートが2つ並んでいて、本来3列目シートがある位置までスライドでき、「広い空間にゆったりと座れる」という感じです。
単純に、ミニバンは広いとは言え、たくさんの人間が乗ってしまっては狭くなってしまいます。
限られた空間をどうしたら広くゆったりと豪華に使えるかと考えた場合、単純に人数を減らせば、一人あたりのスペースが広がる訳です。
その為、アルファードに限らず、同じ車種で8人乗りベンチシート車と7人乗りキャプテンシート車と2つの設定がある車種では7人乗りキャプテンシート車のほうが上位グレードとされるケースがほとんどになります。
「キャプテンシート」のミニバンは何がある?
今回は状態が良くて総額80万円以下で買える買得価格となったミニバンのみに絞りたいと思います。
アルファード10系
MS・AS
MS/ASはアルファードのエアロ付きモデル。
もし今、アルファードの中古をお探しなら、当社の豊富なアルファード在庫情報をご参考までにご覧ください。
MS/ASのキャプテンシートは回転機構が付いていて対面シートにできる。
今回のお話は「キャプテンシート」がテーマなので少々余談ですが、2列目シートと3列目シートが対面の状態でありながら双方足元スペースは真ん中にテーブルを置く事ができる程広い。
また対面シート状態でもキャプテンシートのユニット自体に二点式シートベルトが装備されているため、そのまま走行が可能。
対面モードではない通常モードでは下写真のようにセンターピラーから伸びる三点式シートベルトを使う事ができる。
因みに、8人乗りベンチシート車も対面シートは可能ですが、対面にすると2列目左右にはシートベルトが無く、真ん中の二点式シートベルトだけが生きている状態になるので、対面シートモード時で走行する場合、乗車定員は最大6名までとなる。
7人乗りキャプテンシート車 | 8人乗りベンチシート車 | |
---|---|---|
通常時 | 7名 | 8名 |
対面シート時 | 7名 | 6名 |
MZ
MZはアルファードの豪華装備モデル。
3000ccモデルにのみの設定となり、2400ccモデルには存在しない。
MZのキャプテンシートはMS/ASのような回転機構が無く対面にはできません。
代わりに「折り畳み式センターテーブル」と「オットマン」が付く。
上写真のオットマンは、指で動かないようにしているのですが、放してしまうとバネの力で折り畳まれてしまいます。
実際に使う時は、指が支えている位置を足で踏み続けなければ「オットマン」の状態が維持できません。
折り畳んだ状態でフットレストのように使う事もできますが、その必要性も希薄であまり実用性は無いように感じます。
関連記事▶アルファード10系の荷室寸法(図解あり)
エスティマ30系
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エスティマ30系にはアルファード10系MZと同じ簡易的オットマンが付いている!
上記でも触れましたが、あまり実用的では無いため、実際、頻繁に使うという人は少ない。
関連記事▶エスティマ30系【7人乗り】と【8人乗り】はどちらが使い易い?
エスティマ50系
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エスティマ50系にはエスティマ30系から進化した本格的なオットマンが付いている!
オットマンは格納位置~最大写真の位置まで展開し、中間の角度は無段階に調整できる。
リビングに置く本格的なオットマン付きリラックスチェアのように脚のふくらはぎの辺りを乗せる事ができる。
エスティマ50系のキャプテンシートは下写真のように足元を広々とさせた「スーパーリラックスモード」にアレンジできる!
エスティマ50系の3列目シートは前後スライドができなくなった代わりに床下に収納できるようになりました。
写真のスーパーリラックスモードはその3列目シートを床下に格納し、2列目シートを3列目シートがあった位置まで下げ、背もたれをリクライニングさせ、オットマンを展開する。
関連記事▶【エスティマ50系ってどんな車?】別格のゆとりと高い走行性能を色々な角度から徹底検証。
ノア・ヴォクシー70系
ノア&ヴォクシー(上位グレード)は折り畳みセンターシートによって、
- ベンチシートモード
- センターテーブルモード(写真の状態)
- ウォークスルーモード(写真の状態からセンターテーブルを横に倒してウォークスルーのスペースを確保する)
・・・という感じにキャプテンシートにもベンチシートにもなります。
下位グレードでは折り畳みセンターシートが無く普通のベンチシートタイプになる。
関連記事▶ヴォクシーの中古車「かっこよく乗りたい30代の子育て世代のパパ」に選ばれる理由
セレナC25系
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他の車種に比べウォークスルーの隙間が狭いように感じますが、計測すると17.5cm前後あり、大人でも横歩きする感じならば通り抜けることは可能。
マルチセンターアームレストは1列目シート間↔2列目シート間のスライド移動が可能。
上写真の状態時は1列目シート間にマルチセンターアームレストがあり、2列目シート間までスライドさせる事で下写真の状態にアレンジができる。
セレナはマルチセンターアームレストによってベンチシートにもキャプテンシートにもなる!
関連記事▶セレナは実用性重視の多彩なシートアレンジで移動中も楽しい!便利!
エリシオン
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関連記事▶【ホンダエリシオン中古車のシートアレンジ徹底解剖】埼玉でエリシオンの中古購入前に知っておきたいこと。
エリシオンプレステージ
ステップワゴンRG系
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ステップワゴンRG系のキャプテンシートはとても希少。
関連記事▶【シートアレンジ・収納スペース】ステップワゴンの中古車を買うならココが知りたい!
キャプテンシートはこんな家族にお薦め!
筆者は以前に「7人乗りキャプテンシート車」と「8人乗りベンチシート車」の使い勝手を比較しました。▶アルファード10系、7人乗りと8人乗り、子供のいるファミリーはどちらを選ぶべき?
お子さんが小学生以上の家族にお薦め!
例えばお子さんが赤ちゃんの場合、どちらかと言えば8人乗りベンチシートのほうが便利だと思います。
しかし、お子さんが小学高学年1人・2~3年生1人・幼稚園1人という感じでわんぱく盛りみたいな感じの子が複数名の場合、クルマへ乗車は安全を考え速やかに行いたいところですが、8人乗り車の場合、3列目シートに乗降するには、いちいち2列目シートを前にスライドさせなければなりません。
シートのスライドは中古車ならほとんどの場合、新車間もない頃と比べ、レールの錆や埃などの影響で重くなっていて、小学校高学年以上のお子さんならかろうじてできるかもしれませんが、基本的にはパパママが乗り降りの度にスライドさせてあげなければなりません。
しかも買い物帰りなら、重たいレジ袋を抱えつつシートを動かし・・・なんてやっている間にお子さんがふざけて車道や駐車場の通路などに飛び出したら・・・と考えるとちょっと怖いかと思います。
ところが7人乗りキャプテンシートならば、2列目シートの間を通って子どもたちだけで簡単に乗降を行なえます。
また、子どもがある程度大きくなり、兄弟姉妹が多い場合、室内に余裕がないとケンカの原因になる場合もあります。
関連記事▶スライドドア付きミニバン厳選20車種。乗降りし易さ・開口幅などを分かり易く解説。
長尺物の運搬が多い家族にお薦め!
長尺物って何がある?・・・と思うかもしれません。
代表的なのは「スキー板」「スノーボード」でしょう。
屋根にキャリアを設置して積むこともできますが、価格も決して安いものではありませんし、走行風で飛んでいかないようにきちんと固定するのも少々面倒です。
スキー板もボードもプレーヤーの身長にもよりますが全長は大体155㎝から165cmほどあります。
それに対し、ミニバンの室内幅は上記車種リスト中もっとも横幅があるエリシオンでも138cm程しかありません。
つまり、横向きに積むことは不可能です。
しかし!キャプテンシートのミニバンなら、ウォークスルーのスペースを活用する事で簡単に収納することができます。
まとめ
- キャプテンシートとは「左右が独立し、船舶の船長が座る椅子のような、優雅にゆったりと乗れる肘掛けが付いた椅子」の事。
- 左右シートの隙間、ウォークスルースペースを使って3列目シートへの移動が簡単に行える。
- 車種によってベンチシート↔キャプテンシートにシートアレンジできるものもある。
- 基本的にキャプテンシートは回転はしませんが、上記車種リスト中、唯一アルファードMS/ASのみ回転機構が付いていて対面シートにできる。
- エスティマとアルファードMZは便利なセンターテーブル・オットマン(フットレスト)が付き、同乗者はより優雅なドライブが楽しめる。
今回の記事が、あなたの車選びに役立てばばうれしいです。