ディーラーの点検や修理の費用ってどうして割高なの?

ディーラー 点検修理

みなさんこんにちは。埼玉の格安中古車専門店、ラインアップ代表の菊池です。

日本で現在とても人気のあるミニバン。家族が増えて安価な中古ミニバンに乗っているユーザーも多いと思いますが、ディーラーで点検や修理を行うと費用が割高になりがちです。

ディーラー以外の民間整備工場や整備能力の高いカーショップなどは、安いイメージはあるものの飛び込みで入るのは気が引け、ディーラーほど安心感を感じない人も多いのではないでしょうか?

そもそも信頼性が昔とは大違いと言われる国産車ならば、目立つ故障でも無ければそれほど点検など不要ではと感じる人もいるかもしれません。

今回は需要の多いミニバンを例にとり、なぜ点検修理が必要なのか、ディーラーでやや割高になる理由を分かり易く説明したいと思います。

 

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なぜ点検修理が必要なのか?


自動車を人間に置き換えれば見えてくる、点検修理の重要性

自動車の点検修理は、「人間の健康診断」に置き換えればわかりやすくなります。

普通に生活していても健康診断で異常が見つかることもあります。

そして30代、40代と年を重ねていけば「積もりに積もった疲労や生活習慣」で異常が見つかる可能性は上がり、健康診断を受けていれば見つかったはずの異常、見つけても放置していた異常があれば、健康な生活を送れなかったり、寿命を縮めてしまうこともあるでしょう。

だからこそ費用はかかっても人間は病院に行き、あるいは行かずに済むよう健康的な生活を送ります。

それは自動車でも全く同じなのです。

  • 人間における「健康診断」=車における「点検」
  • 人間における「治療」=車における「修理」

「物言わぬ自動車」に物を言わせるには、点検修理しか無い


自動車はまだ新しくても点検で異常が見つかることがあり、生産から長時間たったというだけで故障リスクが上がるのも、人間と同じです。

ただ、自動車が人間と大きく異なるのは「痛い」「気分が悪い」「体がだるい」と、訴えてくることがあまりありません。

特にパートナーや子供を乗せることが多いミニバンは同乗者の会話や車内で快適に過ごすためのBGM、再生される動画の音などが多く、車からの声は聞こえにくいものです。

重量が重いためエンジンをはじめ各部の負担が大きく、故障すれば影響を受ける同乗者が多いミニバンは、乗車定員や快適性というかけがえの無いメリットと引き換えに、少々大きなリスクもある乗り物かもしれません。

そんなミニバンのドライバーにとって、突然の異音や振動、あるいは警告灯の点灯は、同乗者の楽しい時間が奪われ激しい非難にさらされかねない緊急事態。

焦りながら「何もしてないのに突然壊れた!」と感じるかもしれませんが、この「何もしてないのに!」が重要で、日常的な点検修理もしていないなら人間で言えば健康診断を受けていなかったのと同じです。

人間のように「何となく調子が悪い」とは言えない「物言わぬ自動車」に物を言わせるのが点検修理なので、普段から車の調子に耳を傾けにくいミニバンユーザーは、積極的に受けておくべきでしょう。

これは高価で高品質なミニバンなら大丈夫というわけでもなく、修理の際にかかる費用はかえって高額になると思えば、より重要になります。

参考:http://www.boo.or.jp/

ドライバーが負う、重い義務


仮に事故を起こせば人に容易にケガを負わせ、最悪死亡させてしまう自動車のドライバーには、重い責任が課されています。

よく交通事故の記事で「業務上過失傷害(あるいは致死)」という言葉が出てきますが、業務とは、「収入や利益を伴うかどうかに関わらず、反復継続して行う行為のうち、他人の命や身体に危害を加える可能性があるもの」で、仕事中かどうかは無関係です。

自動車の運転そのものが「業務」で、他人にケガや死亡といった損害を与えれば重い罪に問われ、点検修理の不備による事故でも、当然ドライバーの過失は重くなります。

「他人」には同乗者も含まれるため、多人数を乗せるミニバンはより大きな責任を乗せており、「点検修理をしなければいけないの?」という疑問以前にそれは義務だと自覚し、点検修理費用がもったいないからと義務を果たせないなら運転すべきではないのです。

運転中だけでは無く、故障して走行不能になった車が原因となった事故、整備不良が原因の有毒な排気ガスによる環境破壊など、ドライバーは車を運転する上で、大きく重い責任を背負っていることを知りましょう。

参考:http://qa.jaf.or.jp/

自分勝手な判断はせず、プロの判断を尊重する


もちろん、車が正常に作動し、走り、曲がり、止まれるかといった日常的な運航前安全点検は大事ですが、現実的には省略し、走りながら考える人も多いでしょう。

それだけに点検修理は重要で、何か異常を感じた時に自分だけで楽観的な推測をしたり、「詳しそうな人に聞けばいい」と考えて済むものではありません。

人間に「医者」という医療のプロがいるように、自動車にも「整備士」という点検修理のプロがいます。

自分自身がプロ、あるいはそのための知識を持っていれば別ですが、人によってマチマチな知識しか持たない素人は、一定以上の知識と経験を持つプロには決してなれません。

前項で説明した義務を果たすためにもプロに点検修理を委ね、その判断を尊重するのが正解で、目先の費用がかかっても、長い目で見れば安く安心なカーライフを送れます。

ディーラーでのやや割高な点検修理費用と、その理由


自動車の点検修理と言えばまず思い浮かべるのがディーラー、つまり自動車メーカーの看板を上げた、地域ごとの正規販売代理店。

もちろん、ディーラー以外にも一般客も受け入れる民間整備工場などもありますが、普段から一般訪問客への対応に慣れているディーラー以外は一見客にとって敷居が高く、知り合いが勤めていたり、紹介されない限り入りにくいものです。

「買った車のメーカーの看板が上がっている」という安心感からも、まずはディーラーに足を運ぶという人が多いのではないでしょうか。

ただし昔から「ディーラーで点検修理すると費用は割高」と言われますが、それには以下のような理由があります。

  1. 正規販売店として「そのメーカーの車のスペシャリスト」であることを求められるため、メーカーが独自に行う研修や技術情報の共有、必要な整備機材や正規の診断機の配備を行い、そのための費用が上積みされて時間当たり基本工賃が高い。
  2. 同じ理由で社会的責任をより重く感じており、コンプライアンス(法令順守)の姿勢が強く、自社で点検修理を行った後にトラブルが起きないよう、神経を尖らせている。

そのため、点検修理後のチェック体制も二重三重に行われる。

3.これも同じ理由で、単に故障を直したり車検に通ればいいのではなく、品質維持や故障予防という観点から点検修理が行われるため、一見すると不要な「予防交換」が行われる場合もある。

4.分解して問題点を特定してそこだけ特定するより、自動車のコンピューターに接続した診断機でチェックした上で、より短時間で故障回復が可能、かつ安心感の高い「アッセンブリー」という交換しやすいレベルまで組み立ての済んだ部品の集合体を新品交換する。

5.中古部品で対応出来る箇所であっても基本的には全て新品部品に交換するため高くなる。例外的にリビルト部品(中古部品を点検修理して再生させたもの)を扱うことも一部ある。

もちろん、上記の要素に欠けているからと整備工場や各種ショップの点検修理能力が必ず劣るわけではありません。

しかし、「愛車の主治医」を持たないなら、「どこで点検修理を受けても一定以上の安心感がある」のは重要で、これらの理由から、ディーラーでの点検修理費用はやや割高になっていると考えた方がよいでしょう。

参考:http://www.syaken-signpost.com/

ディーラーで点検修理を行うメリットとデメリット


ここまでの話を踏まえた上で、以下にディーラーで点検修理を行うメリットとデメリットを簡単にまとめてみました。

ディーラー 整備士

メリット

  • その車種の取扱店のため、ミニバンのシートアレンジも含めノウハウが共有されている。
  • 新品部品を使うため安心感が高い
  • 正規の診断機を使用するので、問題個所の特定が早い
  • 分解して問題個所の特定を行い最低限の部品交換を行うより、結果的に安くて早い場合もある
  • ディーラーの系列にもよるが、新品部品は素早く在庫を検索し、発注する体制が整っている

デメリット

  • 古い車で新品はおろか中古部品まで枯渇していると、「部品が無い」として作業を断られてしまう場合もある
  • 問題個所を分解して必要な部品だけ交換は基本的に行わず、新品アッセンブリー交換費用の方が高くつくことも多い
  • ディーラーのコンプライアンスに基づきチェックに時間をかけるため、その費用がかかる。
  • 診断機に出ない不具合箇所の特定能力が低い傾向にあり、「様子を見てください」と何もされないことがある。
  • ディーラー以外で購入した中古車を持ち込む際、もの凄く悪い対応をされることがある。

なおディーラーの方が若く経験の少ない整備士が多く、ある程度経験を積むと営業など別部署に回されてしまうため、結果的に能力の高い整備士がいない、という指摘もあります。

これはある程度事実ではありますが、どのディーラーでも若手整備士ばかりということはなく、経験豊富なベテラン整備士もいてバランスのとれた配置になっているケースがほとんどです。

また、メリットとデメリットは表裏一体というべきで、実際にはユーザーが見積もりを見ても部品交換の必要性ひとつとっても判断は難しく、費用が高い、安い以上のことは読み取れないでしょう。

自動車の修理点検はその症状や箇所によってケースバイケース、他人の例は必ずしも参考になりませんし、高いから、安いから良いとも言えません。

そのためディーラーに点検修理を依頼する最大のメリットは、「メーカーの看板を背負っている以上、ヘタな仕事はできないはずだという安心感」と考えた方がいいでしょう。

ただし、特に新車を扱うディーラー整備工場の場合、持ち込み中古車を毛嫌いするスタッフが一定数いるのも事実です。

残念なことですが新車ディーラーで働く人間の一部は中古車を見下す傾向があり、それが見え隠れするスタッフに嫌な対応をされたという当社のお客様も多数いらっしゃいます。

ディーラーで働く人間ひとりひとり違いがあるので当たり外れがあるのは否めません。

まとめ・こんな人はディーラーでの点検修理がおすすめ


とはいえ、やはり割高なディーラーはなるべく利用したくない、そう考えるユーザーもいるでしょうし、ディーラーは高いけどそれ以外は任せて良いのか不安と、どちらにも決めかねるユーザーもいるはずです。

そのため、「これに当てはまる皆さんは、ディーラー向き」というリストを作ってみました。

【こんな人はディーラーで修理点検を受けよう!】

  • 自動車の機械的な知識が無い
  • 自動車に「乗る」だけで、あとは給油や空気圧の点検くらいしかしない
  • 安心感や確実性が大事で、「とにかく費用が安ければいい」とは考えない
  • 新車購入を検討中でディーラーとの関係を作り、なるべくなら修理点検でもたせながら、新車購入の適切なタイミングをオススメしてほしい

いかがでしょう?家族を同乗させるミニバンユーザーは、大事な命をより多く預かる責任重大な立場です。

信頼できる整備士のいる民間整備工場やショップとの付き合いが無い場合、その代わりの信頼感、安心感を求められる場所がディーラーと考えた方がいいかもしれません。

費用は多少かかっても、家族など同乗者の笑顔や健康を守る、それもミニバンユーザーにはとても大事な使命といえます。

今回の記事はいかがでしたでしょうか?

この記事があなたの車選びに少しでもお役に立てば嬉しく思います。

 

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