みなさんこんにちは。埼玉県入間郡三芳町にある、ミニバン・ワンボックスカーだけを扱う格安中古車販売店、ラインアップ代表の菊池です。
先日実際にあった出来事です。
アルファードの中古車を見に来られたお客さんと営業スタッフが話をしているのが聞こえてきました。
お客さんが言うには「見積もり総額は分かった、でも予算オーバーだから整備も保証も何もいらない。現状でいいからもっと安く出来るはずだ。」
結構熱が入った感じで営業スタッフに言い寄っていたんですね。
もちろん当店ラインアップでは、整備無し保証無しの現状販売での販売は行っていなので丁寧にお断りさせて頂きました。
ですが、仮にもし現状販売を行ったとしたら…
営業スタッフ「分かりました!安ければ安いほうがいいですもんね!では、整備無し保証無しの現状販売でお渡ししますので総額から10万円お安くしましょう!」
お客さん「そうしてもらえると助かるよ!じゃあそれなら契約するよ!」
↓
納車して数日後…
お客さん「エンジンの調子が悪くて急に止まってしまって!ブレーキからもキーキー異音がするし、この車どうなってんだよ!!!買ったばかりなんだから、もちろんタダで修理してもらえるんだろうな!」
営業スタッフ「申し訳ございません。ですが、現状販売で整備も一切行っておりませんし、保証も無しの契約ですから有料での修理となります。ご理解ください。」
お客さん「ふざけんじゃねーよ!!不良車を売りつけやがって!ただで直せないならキャンセルだ!金返せよ!」
営業スタッフ「そう申されても…今更キャンセルもお受けできません」
お客さん「こっちは仕事で車使ってんだからどーしてくれんだよ!俺が日当いくらだと思ってんだ!そのぶんも補てんしろ!じゃあディーラーで勝手に修理するからお前の店で金は払えよな!」
営業スタッフ「申し訳ございません。そういったことはお受けできません。」
お客さん「お前んとこすぐ壊れるような車売って、詐欺か?ネットでばらまいてやってもいーんだぞ!どーすんだ?」
営業スタッフ「………」
このやりとりをご覧になってあなたはどう思いますか?
中古車を『現状販売、保証無し』で買うとこのようなトラブルが起こり得ます。
実際に、自動車公正取引協議会の公取消費者相談室に寄せられた平成25年度で最も多かった相談内容は「不調・故障」によりトラブル相談が33.3%と圧倒的に多かったというデータがあります。
この「不調・故障」とは、現状販売で買った車が故障して販売店とお客の間でトラブルになるケース。
現状販売とは、目の前にあるこの状態で納車しますという販売方法になり、整備は一切しない、保証無し、こういった形で購入するわけです。
中古車と言えども何十万~何百万もする高い買い物ですから少しでも安く買いたい気持ちはよく分かります。
ネットの検索でも価格の安い順に並べ替えて探す方も多いのではないでしょうか?
新車や新品のものなら価格の安い順に探すのは当然ですしそうあるべきだと思うのですが、中古車に関して言えばそれは間違っています。
なぜなら、【安い順=車の程度の悪い順】あるいは、【安い順=整備無し・保証無しの現状販売】、最悪なのは、【安い順=車の程度悪い+整備無し・保証無しの現状販売】
このように少し安く買えるぶん、購入後の故障リスクが大きくなるからです。
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故障リスクは修理代と直結しますので経済的負担になり、上記やりとりのようにお金が絡むと人は醜く豹変することも…
「でも整備付き、保証付きで安いのもあるから、それなら現状販売じゃないし安心だよね」
そう思われる方もいると思います。
確かにカーセンサーネットやGOOネットを見ると、整備付きや保証付きの表記があります。
ですが、ここに落とし穴があって、整備付きでもどこまでシッカリと整備を行うのか?内容がとても大切なんです。
保証に関してはこれはほんと様々になり、「保証付きで安心!」と大々的に言っているものの、内容は1カ月1,000kmまであるいは、3カ月3,000kmまでの自社保証で対象箇所もかなり限定されている。
悪徳中古車販売店は非常に巧妙です。こういった名ばかりの保証に騙されてはいけません。
「人件費を抑えて少人数で運営しているから安く出来る」「立地が悪いぶん家賃が安いから安く出来る」「薄利多売のやりかただから安く出来る」
安さを売りにしている車屋は安く出来るもっともらしい理由をつけます。
本当にそうでしょうか?
ほとんどの車屋は仕入れはオークション会場(車の市場のような場所)から行い、車の評価と仕入れ相場が連動しており、流通の仕組み上、同じような程度の中古車であれば、同じような落札価格に収まります。
であれば、どこで価格の差をつけるのかと言えば、一番大きいのが「整備」と「保証」になります。
整備無し、保証無し、いわゆる現状販売です。
確かに10万円位は削ることが出来ます。
ですが、それって本当に安いって言えるんでしょうか?
削ってはいけないものを削ってまで安く販売する車屋にも問題がありますし、安さだけを求めるユーザーにも問題があります。
一見WinWinに見えますが、後に待っているのは故障リスクと販売店とのトラブルです。
安いものには必ず裏がある。
鉄則です。
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
この記事があなたの車選びに少しでもお役に立てばうれしいです。
最後までお読みいただき本当にありがとうございました。