みなさんこんにちは。埼玉のミニバン専門店、ラインアップ代表の菊池です。
高速道路などの長距離ドライブでは非常に役に立つ「クルーズコントロール」。
最近ではレーダーやカメラで前走車との距離を一定に保つなど先進的な機能も登場していますが、昔ながらの速度を一定に保つだけの機能でも、家族揃っての帰省など長時間大事な命を預かるミニバンドライバーにとっては、少しでも疲労を和らげてくれる有難さがあります。このクルーズコントロール、具体的にはどのような機能なのでしょうか?
家族を乗せるミニバンユーザーなら必見!クルーズコントロールとは?
高速道路など、基本的には信号などでの停止を求められない道路で長時間一定の速度を保った走行を行う時、その速度制御をドライバーではなく車そのものに任せるオートクルーズを行うのが、「クルーズコントロール」で、略して「クルコン」とも呼ばれます。
操作の一部とはいえ車に任せることで、ある意味では「ごく初期の自動運転の一種」とも言えますが、仕組みそのものはごく単純なため1950年代から存在するほどです。
もっとも単純なクルーズコントロールは、設定した速度に合わせてアクセル操作を行い、その時の速度が設定以下なら機械的にアクセルの踏み込み量を増して増速、設定以上ならアクセルを緩めて減速するというもので、後付けの製品もあります。
現在では速度以外にセンサーから得た情報を使い、アクセル以外の操作を行うタイプもありますが作動条件が厳しく、まだ昔ながらのクルーズコントロールを大きく超えるものではありません。
また、速度が頻繁に変わる一般道では作動させても結局はアクセルやブレーキによる手動操作が多いため、流れの良い高速道路向きの装備です。
高速道路を長距巡航する機会が多い高級車から標準装備またはオプション設定されてきましたが、現在では軽自動車でも搭載している車種があるほど普及しており、家族を乗せて長距離の旅行や帰省を行うミニバンユーザーにもおなじみの装備と言えます。
クルーズコントロールにはどんな種類がある?
クルーズコントロールには大きく分けて2種類あり、機械的な「クルーズコントロール」と、先行車と一定の車間距離を保ちながらオートクルーズを行う「アダプティブクルーズコントロール」の2種類です。
大きな違いは「クルーズコントロール」がアクセルのみ制御するのに対し、「アダプティブクルーズコントロ-ル」はブレーキなどアクセル以外も制御すること。
機械的な「クルーズコントロール」は設定した速度に合わせる機能のみで、周囲の車の流れが明らかに設定速度より速かったり、前走車との車間や速度差が危険な領域になれば、設定を改めたりブレーキをかけるなど、ドライバーの操作が求められます。
それに対し「アダプティブクルーズコントロール」は、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱回避機能のために設けられたセンサーを活用した、新世代のクルーズコントロールです。
「レーダーやカメラなどのセンサーで検知した前走車に速度を合わせ、車間距離を一定に保つ」仕組みで、設定速度を優先するか、前走車を優先するかはシステムによりけり。
1990年代半ばに初歩的なシステムが登場し、2000年代には軽自動車に搭載されるまでになりました。
ただし、センサーが正常に作動するのが条件で、夜間や悪天候など悪条件では機械的な「クルーズコントロール」同様と考えた方が良いでしょう。
ミニバンでこそ大きなメリットのあるクルーズコントロール
さて、新旧どちらの方式にせよ、ドライバーの仕事を一部でも代行して楽にしてくれるクルーズコントロールは、非常に便利です。
中でも、最も恩恵を受けるのは何といってもミニバンユーザー、それも多人数乗車の場合でしょう。
家族を連れての帰省、スタッフを乗せての仕事の移動など人数が多いと、公共交通機関では「人数×運賃」で旅費がかなりの負担になりますが、ミニバンなら定員いっぱいまで乗っても高速道路料金が増えたりはしません。
ただ、高速道路を数時間の間、運転するのにはとても集中力が必要となり、その中でも、アクセルのON/OFFの調整は頻繁に行わなければならず心身ともに大きな疲労が伴います。
そんなミニバンにクルーズコントロールがあれば、速度調整は車任せのオートクルーズでドライバーの疲労を少しでも和らげつつ、多人数乗車で旅費を抑えるという使い方にもマッチします。
帰省や旅行で長距離ドライブが多く、しかもその時の乗車人数が多いミニバンユーザーにこそ、クルーズコントロールは最適です。
落とし穴が無いわけではない!クルーズコントロールの注意点
ただし、クルーズコントロールによるオートクルーズにも落とし穴はあります。
まず1つには、「あくまで運転支援装置だと理解していないと、かえって事故につながる」ということ。
最新のアダプティブクルーズコントロールなら、前走車との車間距離を自動調整し、必要なら警報を、もっと必要なら衝突被害を軽減するためのブレーキをかけてくれる場合もありますが、2017年10月現在の技術で確実に作動するものはまだありません。
さらに機械的なクルーズコントロールではアクセルを制御するだけですから、疲労は軽減されるものの、「自分が運転している」という意識を強く持つ必要があります。
もう1つは、「運転が楽なので居眠りを誘発する場合がある」ということ。
一般論ですが、高速道路では80~90km/h程度で走れば追い越しの必要性があまり無いと言われており、この速度域でオートクルーズを行えば遅い車や渋滞に出会わない限り、ハンドル操作に集中できます。
疲労は軽減されますが、高速道路を一定の速度で走り続けるドライバー特有の「高速催眠」と呼ばれる眠気を誘いやすく、ましてや同乗者が眠っている時など自分も眠りやすい環境ですから、ミニバンユーザーは特に注意しなければいけないでしょう。
たとえクルーズコントロールがあっても、ドライバーのための定期的な休憩や、眠気覚ましのアイテムは欠かせませんが、使い方さえ理解していれば、さほどのデメリットにはなりません。
クルーズコントロールの使い方(ホンダ RB1 / RB2 オデッセイの場合)
最後に、実際の車での「クルーズコントロールの使い方」を紹介します。
例としてあげるのは、低床プラットフォーム採用で車高をグッと下げてスポーティになるとともに、FF車(RB1)ならタワーパーキングや機械式立体駐車場に収まる車高1,550mmに収まる、3代目ホンダ RB1 / RB2型オデッセイ(平成15年10月~平成20年10月)です。
このモデルは「アブソルート」と「L」グレードにクルーズコントロールが標準装備され、メーカーオプションで「IHCC(インテリジェントハイウェイクルーズコントロール)」と当時のホンダが呼んでいた、アダプティブクルーズコントロールも装備可能でした。
ここでは基本的に、IHCCでは無い通常のクルーズコントロールを説明します。
・希望車速による定速走行(オートクルーズ)をしたい時
- ハンドル右側に並ぶクルーズコントロール関連スイッチ左列上部の、「CRUISE(クルーズ)」スイッチを押し、クルーズコントロールをONにする。
- メーター内の「CRUISE MAIN」ランプの点灯を確認。
- セットしたい車速で、関連スイッチ右列下部の「DECEL SET」スイッチを押す。
- 車速がセットされ、メーター内の「CRUISE CONTROL」ランプの点灯を確認する。
・設定車速を上げる3つの方法
- 関連スイッチ右列上部の「RES ACCEL」スイッチを1回ずつ押すと、そのたび1.5km/hずつ設定車速が上がる。
- 「RES ACCEL」スイッチを押し続けても設定車速が上がり続け、離した時の車速にセットされる。
- アクセルを踏んで加速し、希望の車速で「DECEL SET」スイッチを押して離す。
・設定車速を下げる3つの方法
- 関連スイッチ右列下部の「DECEL SET」スイッチを1回ずつ押すと、そのたび1.5km/hずつ設定車速が下がる。
- 「DECEL SET」スイッチを押し続けても設定車速が下がり続け、離した時の車速にセットされる。
- ブレーキを踏んで減速し、希望の車速で「DECEL SET」スイッチを押して離す。
・オートクルーズを解除する4つの方法
下記のいずれかを行うと、メーター内の「CRUISE CONTROL」ランプが消灯し、オートクルーズが終了するほか、スピードが25km/h以下になっても自動的に解除されます。
- 関連スイッチ左列下部の「CANCEL(キャンセル)」スイッチを押す。
- 同左列上部の「CRUISE」スイッチを押す。
- ブレーキペダルを踏む。
- シフトセレクトレバーを「N」にする。
・オートクルーズ解除後に速度設定を復帰させる方法
下記のいずれかでオートクルーズを元の速度設定のまま再開できますが、「CRUISE」スイッチを押すか、速度が25km/h以下に落ちて自動解除された場合は、車速を設定し直す必要があります。
- 30km/h以上で走行する
- 「RES ACCEL」スイッチを押すと、解除前の速度設定でオートクルーズを再開する
メーカーオプションでIHCCを搭載している場合、「CRUISE」スイッチの代わりに「IHCC」スイッチが配されており、基本的な操作はほぼ同じですが、作動条件が45~100km/hに限られる、などの違いがあります。
その他、別なメーカーはもとより、同メーカーでも年式や車種によって操作方法が異なる場合がありますから、確実に操作できるよう説明書で確認しましょう。
50万円以下で買える!クルーズコントロール搭載のおすすめミニバン
エスティマ30系
・前期型(H12.01~H15.05)設定なし
・後期型(H15.05~H18.01)下記グレードに設定あり
2400CC 『G』,『アエラスプレミアム』,『アエラスプレミアムナビスペシャル』,『アエラスGエディション』
3000CC 『G』,『Gレザーセレクション』,『アエラスプレミアム』,『アエラスプレミアムナビスペシャル』,『アエラスGエディション』
もし今、50万円以下でエスティマの中古をお探しなら、当社の豊富なエスティマ在庫情報をご参考までにご覧ください。
エスティマ50系
・前期型 (H18.01~H20.12)下記グレードに設定あり
2400CC 『G』
3500CC 『G』,『アエラスGパッケージ』,『アエラスGパックエアロツアラー』
もし今、50万円以下でエスティマの中古をお探しなら、当社の豊富なエスティマ在庫情報をご参考までにご覧ください。
オデッセイRB1
・前期型~後期型(H15.10~H20.10)下記グレードに設定あり
2400CC 『L』,『L-Kパッケージ』,『アブソルート』,『アブソルートHDDナビスペシャル』
もし今、50万円以下でオデッセイの中古をお探しなら、当社の豊富なオデッセイ在庫情報をご参考までにご覧ください。
エリシオンRR3
・前期型~後期型(H16.05~H22.11)下記グレードに設定あり
2400CC 設定なし
3000CC 『VG』,『VZ』,『VX』他、全グレードに設定あり
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まとめ・家族のために長距離を乗るミニバンユーザーならあって損は無い
今回はミニバンユーザーにとって便利な装備、クルーズコントロールについて紹介させていただきました。
現在話題の自動運転ほどでは無いものの、「家族や仲間、同僚のために高速道路を長距離ドライブしなければいけないミニバンユーザーの疲労低減」という意味では効果の高い装備です。
同時に、あくまで長距離ドライブをサポートするための装備であり、ドライバーがしっかり運転できる状態でこそ効果を発揮する装備でもありますから、過信せずに使い方を熟知し、安全運転を心がけましょう。
あなたも、中古でミニバンの購入を検討する際、クルーズコントロールでオートクルーズ可能な車種を選んでみませんか?
今回の記事が、あなたの車選びに役立てばばうれしいです。