みなさんこんにちは。埼玉県入間郡三芳町にある、コミコミ80万円以下のミニバン専門店、ラインアップ代表の菊池です。
日本で1990年代以降、ファミリーユーザーにミニバンが人気の理由はいくつか考えられますが、そのひとつに「フルフラットシート」があります。
大抵は2列目から、車種によっては1列目(運転席・助手席)から3列目まで全部をソファーシートのように倒すこともできますし、3列目だけ起こして座椅子のように足をノビノビ伸ばしたり、使い方はさまざまです。
「ミニバンと言えばフルフラットシート」と言われるほどですが、実際にはどんな場面で役立つのでしょうか?
本記事では、ミニバンのフルフラットシートが役立つ場面や、おすすめの車種を紹介します。
記事の後半では、人気ミニバンのフルフラットシート時の寸法も詳しくご紹介したいと思います。
フルフラットシート、使ってますか?
フラットシートについて改めて解説すると、全シートをフルリクライニングさせて座面と背もたれをほぼ水平につなげるレイアウトのことです。
ベッドのように使用できるシートアレンジとなり、主にミニバンを中心として普及しています。
完全にフラットになるものは少ないものの、仮眠がしやすい点が魅力的です。
一方で、フルフラットシートを追求し過ぎると、シートが小さくなったり平板になったりするため、シート本来の掛け心地を悪化する点が挙げられます。
それでも、フルフラットシートは非常に便利なもであり、多くの方が活用されています。
たまの休日前夜、関越道を北へとひた走るのは、埼玉県ふじみ野市在住、Kさん(仮名・43歳)一家のステップワゴン。
2008年式ですからもう10年選手ですが、7年前に次男が生まれたのをキッカケに中古で購入してから、今までほとんどノントラブルで今日も好調に走ってくれるファミリーカーです。
とあるイベントへ家族総出で出かけるところなのですが、早朝には着かないと会場から近い駐車場に止められないので、前夜遅くの出発でした。
助手席には、時々車窓から見える民家の灯りや、トラックの群れを追い越す時など、久々の深夜ドライブでしか見られない光景にまだ目を輝かせている10歳の長男。
3列目ではすっかり寝息を立てている7歳の次男、そして2列目には、去年生まれたばかりの長女ともどもウトウトしている、Kさんの奥さん(41歳)。
(このクルマにして、良かったな…)
このステップワゴンを買う時、いろいろ考えた末に2列目が3人乗れる8人乗り仕様にしたのを思い出します。
そのおかげで2列目、3列目を倒してフルフラットにした時、妻や子供がノビノビと寝転がって休む空間ができたんです。
今回のドライブも、駐車場に停めたらイベントが始まるまで、ゆっくり疲れを取ることができるでしょう。
以上のように、実際に利用してみると便利という声が多くみられます。
ミニバンでフルフラットシート、こんな時に役立つ5場面!
Kさん一家のような使い方も含めて、フルフラットシートが可能なミニバンには家族向けにもそれ以外でも、さまざまな用途で役立つ場面があります。
代表的なものを5つご紹介します。
大人数で足を伸ばして仮眠できる幸せ!
今回のKさん一家の事例でも明らかなとおり、オデッセイ8人乗り仕様のような2列目が分割式であっても、ベンチシート状になっているミニバンだと、2列目、3列目を倒すことでかなり広大なフラットスペースを確保できます。
よって、まさにファミリー向けの車であると言えます。
それにより、大人でも3人、小さい子供を含むなら家族で4~5人ほどもくつろげるスペースを確保できます。
これは、普通にリクライニングしたシートで仮眠するのと快適度が段違いです。
足を伸ばしてノビノビできるので、血行にもよい影響を与えて疲れにくくなります。
ただし、フラットで寝心地の良いシートほど走行中の座り心地は通常のシートほどではなく、逆に走行中の座り心地が快適なほど、倒してもフラット感は得られにくく、両立は難しいのが難点です。
どちらか重要な要素で決めるのが一番ですが、仮にフラットになりにくい場合、折りたたみ式のマットレスなどを積めば、ある程度ゴツゴツ感を無くせます。
赤ちゃんのオムツ替えや、子供の着替えなど子育て世代に助かります!
子育て世代の家族にとって、子供がまだ赤ちゃんの頃ならオムツ替えは欠かせません。
もう少し大きくなると、ママやパパが手伝いながら、あるいは自力で四苦八苦しながらの着替えもつきものです。
そこでフルフラットシートを使えば、オムツ替えで赤ちゃんを寝かせるスペースを広く取れます。
オムツを替える方もフラットシート上に腰を下ろせば、体をひねったりせず、家と同じような姿勢でオムツ替えが可能です。
家と同じようなスペースが取れるということは、子供がジタバタしながら着替える時も、シートから転げ落ちる心配が無いから安心です。
せっかくのお出かけなのに雨…止むまで車内で遊びましょう!
さらに、フルフラットシートと広い車内空間は、小さな子供にとってはより広大な空間で、「部屋」と言っても過言ではありません。
せっかくのお出かけ、どこかの公園でお弁当と思ったら現地が雨ということもあります。
そんな時は、駐車場の中に止めたミニバンの中で、フルフラットシートの上にレジャーシートを敷き、家族で車内ピクニック気分でお食事を楽しむのがおすすめです。
ヘッドレストモニターなどつけておけば、車内でアニメや映画を楽しめます。
さらに「トミカおねしょシーツ」のように遊べるシーツを下に敷けば、子供達も大喜びすること間違いありません。
フルフラットの活用で、長尺物の積載もバッチリ!
荷物を載せる時に、多くのミニバンは3列目を床下収納、あるいは側面跳ね上げで邪魔にならないようにできます。
2列目は最大限前に出すか、よりスペースに気を使った車種でも全面跳ね上げでコンパクトにするまでが限界です。
そうなると、車内スペースの割に案外長尺物を載せられないというシチュエーションになりがちです。
車内スペースを長さ方向に最大限活用しようと思った場合、3列目も畳まず2列目ともどもフルフラットシートにするのがおすすめです。
そうすると、1列目(運転席・助手席)ギリギリまでの長尺物を積める、フラットな空間が誕生します。
ファミリー向けの用途ばかりでなく、長いけど途中で折れ曲がったりしては困る荷物の時に、フルフラットシートは特に重宝します。
仮眠だけじゃなく、長距離ドライブ時のストレッチにも!
長距離ドライブで疲れたドライバーに時々仮眠が必要なのは常識ですが、基本的に同じ姿勢でいないといけない同乗者のケアも大事です。
「シートに座る姿勢」というのは長く続くと足に血がたまりやすく、いわゆる「エコノミー症候群」が懸念され、体によくありません。
1~2時間程度のドライブならともかく、それ以上のお出かけとなりますと、体をほぐさなければいつの間にか体がガチガチとなり、肩こりや頭痛など体調不良の原因にもなりかねません。
それでビタリとも動かない渋滞に捕まると、なおさらです。
2018年2月の福井県豪雪では、立ち往生した車の中に家族を乗せたミニバンもいたかもしれませんが、同乗者の健康は大丈夫だったのでしょうか。
全く身動きできない立ち往生レベルの渋滞や、長時間ドライブ後の休憩時、フルフラットシートで手足とともに大きく背伸びするだけもエコノミー症候群の解消に役立ちます。
お子さん連れでミニバンを使い超長距離ドライブに出るご家族など、子供と一緒にフルフラットシートの上でできる、ストレッチ的な「ファミリーミニバン体操」を考えてもいいかもしれません。
フルフラットに出来るミニバン7車種
フルフラットに出来るミニバンとして、以下7車種のフルフラットシートの詳しく寸法をご紹介します。
今回は2023年12月時点で予算100万円以下で買えるミニバンに絞って紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
1.アイシス
発売期間:平成16年~平成22年(前期・中期)
5ナンバーサイズ枠のコンパクトミニバンで運転が苦手なママでも運転がしやすく、3列目シートで両側スライドドアを装備したファミリーユーザーには使い勝手の良さが人気です。
さらに、前席と後席ドアの間にボディを支えるピラーがぞんざいせず、前後ドアを開ければ広大な開口部を利用可能です。
これににより、レジャーシーンだけでなく、介護福祉などにも利用できます。
アイシスのフルフラットシート時のサイズは、以下のとおりです。
箇所 | サイズ |
---|---|
2列目シート座面〜3列目シートの後ろまで | 206cm |
幅(3列目シート座面部分) | 95cm |
高さ(座面〜屋根) | 91cm |
幅が若干狭めであるものの、寝そべっても過度に窮屈に感じることはありません。
詳しくは【アイシスってどんな車?】スライドドア+ピラーレス/高い乗降性と使い勝手重視の5ナンバーサイズミニバンをご覧ください。
2.セレナ(C26系)
発売期間:平成22年~平成28年(前期・後期)
背の高いトールミニバンの中で5ナンバーサイズ枠の代表格と言えば日産セレナです。
落ち着きあるデザインを採用しており、多くの方に愛されていました。
実際に、2011年から2013年までの3年間で、ミニバンの販売台数が第1位を記録していたことで有名です。
ボタン一つで自動開閉可能な自動スライドドアシステムは、2015年にキッズデザイン賞を受賞するなど機能面でも高く評価されています。
フルフラットシートも、以下のサイズで手狭さを感じさず、寝心地の良さも魅力的です。
箇所 | サイズ |
---|---|
2列目シート座面〜3列目シートの後ろまで | 203cm |
幅(3列目シート座面部分) | 127cm |
高さ(座面〜屋根) | 99cm |
C26型セレナの魅力などは、以下の記事で詳しく解説しています。
3.エスティマ(50系)
発売期間:平成18年~平成21年(前期型)
トヨタが誇るミドルサイズミニバンと言えばエスティマが有名です。
流線形の個性的なデザインと安定した走行性能、充実した装備と質感でロングセラーのミニバンです。
また、床下格納できる3列目シートも人気を博していました。
50系エスティマのフルフラットシート時のサイズは、以下となります。
箇所 | サイズ |
---|---|
2列目シート座面〜3列目シートの後ろまで | 209cm |
幅(3列目シート座面部分) | 121cm |
高さ(座面〜屋根) | 88cm |
詳しくは【エスティマ50系ってどんな車?】別格のゆとりと高い走行性能を色々な角度から徹底検証。をご覧ください。
4.エリシオン
発売期間:平成16年式~平成24年(前期・後期)
エリシオンは、残念なことに生産中止になり平成25年からオデッセイに統合されただけに希少なミニバンです。
独特のフォルムと室内の高級感、快適に座ることに特化した各シートの造り込みは絶品です。
流線型のボディデザインは風切り音を抑える効果があり、空気抵抗を極限にまで抑えて快適な走行を楽しめます。
エリシオンはサイズの大きなミニバンだけに、フルフラットシート時も以下のような余裕のあるサイズ感となります。
箇所 | サイズ |
---|---|
2列目シート座面〜3列目シートの後ろまで | 216cm |
幅(3列目シート座面部分) | 128cm |
高さ(座面〜屋根) | 89cm |
特に、幅の広さは特筆すべきものがあり、ゆったりと寛ぎたい際に最適な車です。
詳しくは【エリシオンってどんな車?】フル乗車した時の室内快適性を徹底的に追求した高級ミニバン。をご覧ください。
5.ステップワゴン(RK系)
発売期間:平成21年~平成27年(前期・後期)
HONDAの5ナンバーサイズミニバンと言えば、ステップワゴンが有名です。
ステップワゴンとしては4代目にあたるRK系は、2010年にミニバンにおける累計販売台数で1位を獲得するなど、ヒットした車としても知られています。
3代目からさらに低床・低重心化を図っており、スライドドアからの乗降りも楽になりました。
さらに、全高も高くなっているので広々した室内空間を確保しています。
ドライバーにやさしい仕組みや装備が豊富で、あまり運転に慣れていない方もで安心して運転可能です。
ステップワゴンのフルフラットシート時のサイズは、以下のとおりです。
箇所 | サイズ |
---|---|
2列目シート座面〜3列目シートの後ろまで | 196cm |
幅(3列目シート座面部分) | 119cm |
高さ(座面〜屋根) | 100cm |
詳しくは、以下の記事で解説していますので参考にしてください。
6.アルファード・ヴェルファイア(20系)
発売期間:平成20年~平成27年(前期・後期)
トヨタの最高峰ビッグミニバンと言えば、アルファードが有名です。
豪華な内装と装備、広い室内空間で他を圧倒するミニバンとして、憧れの存在となっています。
初代と比較してサイズアップしており、2列目シートがオットマン付きのキャプテンシートが採用され、快適にドライブを楽しむことが可能です。
さらに、HDDナビゲーションシステムとプレミアムライブサウンドのセットで、高音質で音楽などを楽しめる利点があります。
20型アルファードのフルフラットシートのサイズは、以下のとおりです。
箇所 | サイズ |
---|---|
2列目シート座面〜3列目シートの後ろまで | 223cm |
幅(3列目シート座面部分) | 141cm |
高さ(座面〜屋根) | 99cm |
余裕のあるサイズ感と上質なシートで、寝心地は最高です。
20型アルファードとヴェルファイアについては、以下の記事で解説していますのでご覧ください。
7.ヴォクシー・ノア(70型)
発売期間:平成19年~平成25年
70型ヴォクシーは、初代ヴォクシーから数えて2代目にあたります。
「父になろう」のキャッチフレーズで有名であり、ZやZS、煌、ZS煌など多様なグレードが存在します。
燃費性能を高めるため、バルブマチック付きの新開発エンジンが初めて搭載されるなど、革新的な技術も積極的に取り入れられている点が魅力的です。
さらに、軽い力でスムーズに折り可能なワンタッチスペースアップシートを世界で初めて導入した点でも注目されています。
70型ヴォクシーのフルフラットシート時のサイズは、以下のとおりです。
箇所 | サイズ |
---|---|
2列目シート座面〜3列目シートの後ろまで | 205cm |
幅(3列目シート座面部分) | 123cm |
高さ(座面〜屋根) | 97cm |
70型ヴォクシーについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ:目的地についたら、しばし休んで目いっぱい楽しみましょう!
午前5時。Kさん一家のステップワゴンが目的地の駐車場に滑り込みました。
グッスリ寝ていてネボケている子供たちをママに頼んでトイレに連れて行ってもらい、その間にKさんはパパっと2列目と3列目をフルフラット化。
3列目の後ろに積んでいた毛布や枕を準備してカーテンを引き、子供たちを出迎えます。
快適な寝室じゃないと子供がモゾモゾ起きてしまい、ここまでのドライブで疲れきったKさん自身が仮眠できないので…
川の字になった妻や子供たちが横になって再び寝息を立て始まった頃、運転席をリクライニングさせたKさんも、まだ暗い夜空の下でウトウトしてきました。
仮眠から目覚めたら、今日も家族みんなで、楽しい思い出作りましょうね?それではしばし、おやすみなさい…。
以上のように、ミニバンのフルフラットシートを活用すれば、快適なドライブを楽しめます。
ぜひ活用して、より旅行などを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ラインアップでは、フルフラットシートに対応したミニバンを多く取りそろえているので、優良なミニバンをお探しの際はぜひ気軽にご相談ください。