みなさんこんにちは。埼玉県入間郡三芳町にあるコミコミ80万円以下のミニバン中古車専門店、ラインアップ代表の菊池です。
二代目のエルグランド2500cc(ME51型)の中古車購入を検討している時には「燃費」が必ず気になるところだと思います。
実際に当店にエルグランドを見にいらっしゃったお客様が、「ネットで調べてたらエルグランドって4km/Lくらいしか走らないって聞いたんだけど…」とおっしゃっていました。
そうですよね。確かに初代エルグランド(E50系・3500cc)の燃費はリッター4km/lほどで、その情報が大きく出回ってしまったために、世間的にエルグランドは燃費の悪いミニバンというイメージが強くなっています。うちの新入社員も最初にエルグランドを見た時に、「こんなに燃費の悪いミニバンって今の時代売れるんですか?」と言っていました。
このようなイメージが付いているエルグランドですが、フルモデルチェンジした二代目(ME51型・2500cc)の登場により、ネックになっていた燃費や維持費など格段に向上しました。
とはいうものの、「街乗りでの実際の燃費や高速道路での燃費が気になる・・」「実際乗っているユーザーの口コミも知りたい」こんな疑問ありますよね。
そこで今回は、中古車市場でも100万円以下で手に入る人気のミニバン、二代目エルグランド(ME51型・2500cc・平成16年~平成21年式)にスポットを当てて詳しく解説したいと思います。
日産エルグランド2500cc(ME51)ってどんな車?
販売期間が平成16年~平成21年のエルグランド2500cc(ME51型)は走行性能の高い、乗り心地が良い大型ミニバンとしてロングセラーとなりました。
最大の特徴としては、2500ccでありながらV6エンジンを採用しているため、ライバル車たちと比較して車内の静寂性が抜きん出ています。
まるで、「走る応接室」と呼ばれる乗り心地と静寂性が家族の長距離ドライブで会話を遮らない快適な室内空間を提供します。
運転した時のフィーリングも好評で、その要因として、エンジンが車体前方、駆動輪は後輪というFRレイアウトを採用しているため、変なクセもなく優れたハンドリングを得られます。このレイアウトは高級車のほとんどで採用されている方式で、エルグランドがミニバンでありながら高級路線を目指した姿勢が表れています。
また、室内空間もほかのミニバンと比較してもかなり広々としています。フルフラットにして車中泊する場合でも快適に睡眠を取ることが出来ます。
E51エルグランドは前期、中期、後期と分かれていて、デザインもマイナーチェンジを繰り返して新しくなっています。今回ご紹介する2500cc(ME51型)は中期からとなります。
エルグランドE51型について詳しく書いた【日産エルグランド( E51型)ってどんな車?】も、ぜひ参考にして頂ければと思います。
二代目・エルグランド(2500cc/ME51・3500cc/E51)の実際の燃費ってどれくらい?
2500cc(ME51)の燃費
- 街乗りで6km/l
- 高速道路で10km/l
- カタログ燃費 8.9km/l ※10.15モード
実際に乗っているユーザーの口コミは?
みんからでは2500ccは街乗り・高速道路も含めた平均燃費6.6km/lとのデータとなります。
続いて、ユーザーからの実際の口コミをご紹介します。
「通勤快速メインで使っているが(片道10キロほど)リッター7なのでそんなに悪くはないと思う。そもそもでかい車に乗っているなら燃費はあまり気にしてはいけないと思う」
「街乗りでリッター6~7km/lくらい。たまに5km/l台です。高速だとリッター11km/l到達しました。高速だとすごく伸びる(笑)」
「片道10km弱の通勤がメインですので6.5km/ℓ程度です」
3500cc(E51)の燃費
- 街乗りで5km/l
- 高速道路で10km/l
- カタログ燃費 8.2km/l ※10.15モード
実際に乗っているユーザーの口コミは?
みんからでは3500ccは街乗り・高速道路を含めた平均燃費6.25km/lとのデータとなります。
続いて、口コミは
「街乗りでリッター6.5はこのクラスでは上出来!」
「高速では文句なしの13km/l 街乗り6.7km/l」
「このサイズの車種に燃費を求めてはダメですよ。リッター最低6キロは確実にキープしています。たまにリッター8キロ近く伸びます。2トンクラスで排気量3.5!この燃費は上出来ですよ。燃費を気にするなら、セレナやトヨタ3兄弟に乗るべきです」
このように、口コミでは実燃費を投稿したユーザーの平均燃費は2500cc(ME51)のほうが1キロ近く伸びているというデータでした。
2500cc、3500ccともに、高速道路での燃費はこの年式ではかなり優れていると言えます。
2500ccなのに燃費が落ちている場合、2トンクラスの車で2500ccのパワーでは物足りず、アクセルを踏みすぎたことによる燃費悪化の可能性が高いと思われます。
そういう意味では、多少燃費は悪くてもパワー不足を感じさせない3500ccという選択肢も悪くはないでしょう。
ただ、実際にお店に来るお客様は2500ccで十分だという方が多く、普通の乗り方であればデータ通り2500ccの方が燃費も上がりますし、税金も安くなります。
実際に試乗してみないと分からないので、2500ccでパワー不足を感じるのか試乗し、そのうえで決めて頂くのが一番良いと思います。
試乗の出来る中古車販売店を選ぶことも大切ですね!
VQエンジンとは?
エルグランド2500cc(ME51)に搭載されているVQエンジンは、日産の幅広い車種で搭載されているV型6気筒エンジンです。耐久性が高く、2000cc~4000ccまでラインナップされており、レース用エンジンとしても採用された高性能エンジンです。
VQエンジンの特徴の一つが「タイミングチェーン式」であるということが挙げられます。通常3000cc以上のエンジンはタイミングベルト式ですが、このVQエンジンは交換不要のタイミングチェーン式です。
タイミングチェーン式は、ベルト式と違い、走行距離10万km毎の交換が不要となることで、切れる心配がなく高額な交換費用も不要であることが利点といえます。
それに加えて、「ショートストローク型エンジン」であるのも特徴です。乗り味の違いとしては、エンジンの吹け上がりが非常に良く、エンジンを掛けた際に違いに気付けるくらい良い吹け上がりを感じます。
エルグランド2500cc(ME51)のエンジンを吹かしたり紹介した動画を撮影したのでこちらの動画も参考にして頂ければと思います。
拭け上がりの良さの他に、3500ccは勿論のこと2500ccもV型6気筒エンジンであるため乗り心地、静寂性に優れています。
また、エルグランドに搭載されている2500ccモデルは「大衆車」「経済性」という観点から、レギュラーガソリン仕様でお財布に優しい設計となっています。
(注)エルグランド3500ccはハイオク仕様となります。
VQエンジンの弱点は?
ここで気になるのはこのエンジンの悪い部分。
それは、先ほど出てきた「ショートストローク型エンジン」であることです。
このエルグランド2500cc(ME51型)が発売された当時としては当たり前だったのですが、2018年9月現在の一般的なロングストローク型エンジンと比較すると、低回転域でのトルク特性がやや劣ってしまい、街乗りでは、扱いにくいエンジンに分類されてしまいます。
反対に高回転域では、ショートストローク型エンジンの方が高出力になるため、エルグランド2500cc(ME51型)が高速道路での燃費がとても良いとの声が多いのはそのためです。
VQ25DEエンジン諸元(2500cc)
原動機型式 | VQ25DE |
排気量 | 2495cc |
気筒配列 | V型6気筒 |
吸気方式 | 自然吸気(NA) |
最高出力 | 186ps/6000rpm |
最大トルク | 23.7kgm/3200rpm |
カムシャフト駆動方式 | タイミングチェーン式 |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
10.15燃費 | 8.9km/l |
実燃費 | 6.60km/l ※みんからデータ |
エルグランドの税金は?2500ccと3500ccの比較
以下の表にあるとおり、同じエルグランドでも自動車税の金額が異なることがわかると思います。
2500ccだと年額45000円、3500ccだと年額58000円となり、その差は13000円となります。
2500cc(ME51型)の方が3500cc(E51型)と比べて毎年かかる自動車税が13000円安くなり、燃費の点でも、2500cc(ME51型)はレギュラーガソリンでリッター1kmほど良いのに比べ、3500cc(E51型)はハイオク仕様となっています。
初年度登録から13年未満の場合
2500cc | 3500cc | |
自動車税(年) | 45000円 | 58000円 |
重量税(2年) | 41000円 | 41000円 |
初年度登録から13年経過車の場合
2500cc | 3500cc | |
自動車税(年) | 51750円 | 66700円 |
重量税(2年) | 54000円 | 54000円 |
気になるアルファード2400ccと比較して燃費はどうなの?
実燃費比較
ユーザーの口コミをまとめると、エルグランド2500cc(ME51型)の実燃費は、先ほどご紹介した通り、街乗りで約6.5km/l、高速道路で約10km/lです。
続いて、初代アルファード2400cc(ANH10系)は、街乗りで約7km/l、高速道路で約10km/lとなります。
アルファード(ANH10型)とのエンジン比較
ME51型エルグランド | ANH10型アルファード | |
原動機型式 | VQ25DE | 2AZ-FE |
排気量 | 2495cc | 2362cc |
気筒配列 | V型6気筒 | 直列4気筒 |
吸気方式 | 自然吸気(NA) | 自然吸気(NA) |
最高出力 | 186ps/6000rpm | 159PS/5600rpm |
最大トルク | 23.7kgm/3200rpm | 22.4kgm/4000rpm |
カムシャフト駆動方式 | タイミングチェーン式 | タイミングチェーン式 |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | 無鉛レギュラーガソリン |
10.15燃費 | 8.9km/l | 9.7km/l |
実燃費 | 6.60km/l ※みんからデータ | 7.72km/l ※みんからデータ |
まず大きな違いは、エルグランドのV型6気筒エンジンに対し、アルファードは直列4気筒エンジンであるということです。
V型6気筒エンジンは直列4気筒エンジンに比べて振動が少なく、スムーズな加速が可能です。振動が少ないということは、車内の静寂性に優れているということです。
V型6気筒エンジンは、一般的に3000cc以上のエンジンのみに搭載されているのですが、エルグランド(ME51型)は2500ccで搭載されています。
さらに、一般的なV型6気筒エンジンは、「ハイオク仕様」「タイミングベルト式」ですが、エルグランドでは「レギュラー仕様」「タイミングチェーン式」となっています。
これはファミリー層のお財布に優しい設計ですね。
アルファードは2400ccになると直列4気筒エンジンになってしまうので、静寂性という点でみると、エルグランドの勝利です。
しかし、燃費を比較した場合、アルファードの方が約1km/lほど燃費が良いです。静寂性は劣りますが、燃費面ではアルファードが勝利します。
- 少し燃費が悪いが、快適で乗り心地重視のエルグランド
- 乗り心地は少し劣るが、燃費が少し良いアルファード
といった分類になります。もちろんアルファードも高級ミニバンですので乗り心地の良い車種ですが、エルグランドと比較すると違いがあります。
初代アルファード10系については、アルファードはとても魅力的だが維持費が尋常でないほど高いんじゃないか?そんな疑問を解決!の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
実際に乗ってもらうと分かりますが、この2台の乗り心地は結構違うので、ぜひお近くの販売店で実際に確かめてみましょう。
まとめ
二代目エルグランドには、2500ccと3500ccの2種類の搭載エンジンがあり、どちらもV型6気筒のVQエンジンとなっています。
3500ccと比べると2500cc(ME51型)の燃費は若干良いものの、現代ミニバンの中で決して良いものではありません。しかし、その燃費のデメリットを受け入れてでも乗りたいと思わせる快適な乗り心地があります。
燃費以外の点では、エルグランド2500cc(ME51型)は「維持費」「乗り心地」の面で非常に優れています。
また、V6エンジンであるにもかかわらず、走行距離10万km越えでも交換不要な「タイミングチェーン式」である点も、中古車購入する際には大きなメリットと言えます。
是非一度、エルグランドME51型の魅力を体感してください。
今回の記事が、あなたの車選びに役立てばばうれしいです。
最後までお読みいただき本当にありがとうございました。