みなさんこんにちは。埼玉県入間郡三芳町にある、ミニバン中古車販売ラインアップ代表の菊池です。
時々、お客様から「パワースライドドアが急に動かなくなったんだけど、どうしたらいい!?」という相談を受けることがあります。
実は先日、私の友人からも焦った声で「急にパワースライドドアがスイッチ押しても反応しなくなっちゃって、壊れちゃったみたいなんだけど」と電話がありました。
パワースライドドアの開け閉めの不具合でよく聞くのは以下の症状です。
- パワースライドドアが急に開かなくなった
- パワースライドボタンを押しても反応しない
- 外から開くけど、中から開かない
- 半分までしか開かない
- 途中まで自力で開けないとパワースライドが効かない
「昨日まではちゃんと動いていたのになんで?」と思っている方も多いのではないでしょうか?
パワースライドドアは普段、電動で開け閉めできるので楽ですが、いざ「動かない」「開かない」となった場合、モーターの重みもあり、普通のスライドドア以上の重さになります。そのため、力の弱いお子様や女性の場合、開け閉めが困難に感じる場合もあり非常に厄介な症状となります。
今回は、今やミニバンの定番装備でもあるパワースライドドアが急に動かなくなってしまった時の原因と解決方法について詳しく紹介していきます。
今回の記事の動画版もあります↓
パワースライドドアが開かない原因と対処方法
それでは早速パワースライドドアが開かない時に考えられる原因とその対処方法を解説していきます。
1、 パワースライドドアのスイッチがOFFになっている
実は、断トツで一番多いのが、「いつの間にかパワースライドドアのOFFスイッチを押してしまった」があげられます。
ほとんどの車は、運転席の足元付近にパワースライドドアの電源スイッチ、「PWR DOOR OFF」のような表記のボタンが付いていますが、このスイッチに気づかないうちに触れてしまい、電源がOFFになっている場合があります。
例えば、エスティマ50系の場合は下記写真のようにセンターコンソール中央下部に「PWR DOOR OFF」スイッチが付いています。
「PWR DOOR OFFボタン」を押したり、「パワースライドドアON OFF切り替えスイッチ」をOFFにしたりすると、パワースライドが効かなくなりますので、いつものようにドアノブを引いても自動で動き出すことも無く、パワースライドドアの開閉ボタンを押しても無反応になります。
「そんなの見たこともないよ!」という方が多いと思いますので、ぜひ探してパワースライドの機能を「ON」にすれば通常とおり動き出します。
2、 チャイルドロックが掛かっている(中から開かない場合)
こちらも意外と多いパターンです。何かの拍子に「チャイルドロックスイッチ」に触れてしまって、「ON」になり開けられなくなります。
こちらは、中から開けられなくなるだけで、
- 外からはドアノブをひけば、開閉できる
- 「パワースライドドアスイッチ」を押せば開閉できる
ことが特徴です。
チャイルドロックとは、小さな子供が誤って開けてしまって落下するのを防ぐ機能です。外からは普通に開くのに、室内からドアノブをひいてもどうしてもスライドドアが開かないという場合は、チャイルドロックがONになってしまっていないかまずは確認しましょう。
3、 給油口が開いている場合
給油口が開いている場合、そのままパワースライドドアが全開まで開いてしまうと、給油口が絡まってしまい閉まらなくなってしまったり、スライドドアや給油口に傷が入ってしまったりするので、それを防ぐための機能として、
- パワースライドが効かない
- ドアは手動で半分くらいしか開かない
こういった症状になります。
間違えて給油口のフタを空けてしまうことはなかなか無いと思いますが、多いのは給油口のフタが完全に閉まっておらず、気付きづらい、「フタが少しだけ浮いた状態」です。
実は、これは私も何度も経験しています・・(泣)
4、 リリースモーターの故障
パワースライドドアの仕組みは、ドアノブをひいた時にカシャッと「ドアを開け始める初動に使うリリースモーター」と、「ドア全体を大きく開けたり閉めたりするためのメインモーター」の2種類から作られています。
リリースモーターが故障すると、
- ドアノブをひいても自動で動き出さない
- パワースライドドアスイッチを押しても動き出さない
- 途中まで手動で開けて勢い付けると途中からはパワースライドが動き出す
このような症状となります。自力でなんとかするのは難しいので、早めに修理に出すことをおすすめします。
5、 パワースライドモーターの不良
先ほど説明した、「ドア全体を大きく開けたり閉めたりするためのメインモーター」が故障するケースで、症状としては、
- 「ピピッ」と最初は開き始めるが、途中から自動では開かない
- 「ピピッ」と最初は閉まり始めるが、途中から自動では閉まらない
大きくこの2つがあげられます。
無理やり手動で開閉することもできますが、ものすごくドアが重かったり、異音が出たり、途中で止まったり、様々な症状の不具合がありますので、こちらも早めの修理をおすすめします。
リリースモーターの故障との区別は、スライドドアがどの位置にあるときの異常なのか確かめると簡単に分かります。
・ドアを開ける最初の手前に引く部分→リリースモーターの故障
・真横にスライドする部分→パワースライドモーターの故障
6、 ゴムパッキンが外れている
症状としては、パワースライドドアが最後まで閉まるが、すぐに勝手に開き始める。ことがあげられます。
これは、経年劣化や内張りを剥がした際にゴムパッキンが外れてしまっている可能性があります。
この部分が正常な状態に取り付けられていないと、パワースライドドアが閉まり切った際に最後まで閉められずに、「何かが挟まっている」と感知して、再び開きます。
基本的に溝にはまるように作られていますので、押し込んでみましょう。
7、 フレームの歪み
「フレーム」と呼ばれる自動車の骨格部分が事故などによって歪んでいると、ドアの開け閉めの抵抗になってしまうため、「何か挟まっている」と判断して、パワースライドドアが途中で「ピーピー」と鳴って動かなくなることがあります。
この場合は、「フレーム修正」という、専用の機械を使ってフレームを修正する大がかりな作業が必要になります。
8、 スイッチやセンサーの故障
上記で述べてきたどの症状にも当てはまらない場合、電気系統のどこかの部品が壊れている可能性があります。
単純にパワースライドドアスイッチのカプラーが振動で外れている可能性もありますし、内部のセンサーの故障も考えられます。
外からドアノブをひけば自動で開閉するのに、パワースライドドアスイッチを押しても反応しない・・こんな症状のときは、スイッチ自体の不良を疑ってみてください。
9、 ワイヤー切れや絡まり
パワースライドドアは、ワイヤーがモーターの動力を伝えるために使われています。
この部分が、錆や経年劣化によって弱ってくると、何かの拍子に絡まってしまったり、引っかかってしまったりして動かなくなってしまいます。
当店で実際にあった事例ですと、ワイヤーが絡まってスライドドアが締まらなくなってしまい、手動で力いっぱい引いてもうんともすんともいわず、スライドドアを開けっぱなしで修理工場に運んだことがありました・・速攻で修理することをおすすめいたします。
あ~よく分からない~。。。と思ったら
車に詳しくない方だと今の説明がよく分からないと思いますので、もう一度これらの症状を整理しましょう。
- パワースライド「OFF」スイッチを押していないか?→パワースライド「ON」にする
- チャイルドドアロックは掛かっていないか?→チャイルドドアロックOFFにする
- 給油口は開いていないか?→給油口を閉める
- 途中まで手動でなければ開かない。→リリースモーターの故障
- 途中まで開くがすぐに止まってしまう。→パワースライドモーターの故障
- 最後まで閉まるが勝手に開き始める。→ゴムパッキンが外れている
- パワースライドドアが途中「ピーピー」鳴って止まってしまう。→フレームの歪み
- レール部分からワイヤーがはみ出していたり、錆が浮いてきたりしている。→ワイヤーの不良
このようにパワースライドドアが急に動かなくなったとしても様々な原因が考えられ、その場で解決出来ることと、出来ないことがあります。
自分が詳しくない難しい作業をしてしまうと症状を悪化させてしまう場合があるので注意が必要です。
最後に、パワースライドドアのメインモーターの故障やワイヤー交換などは高額な修理費用(5万円~10万円)がかかることが多いため、これからパワースライドドア付きのミニバン中古車を検討している方は、「パワースライドドアの故障時も対応できる保証なのかどうか?」を、販売店にしっかりと確認することが大切といえます。
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
この記事があなたの車選びに少しでもお役に立てばうれしいです。