みなさんこんにちは。埼玉県入間郡三芳町にある「ミニバン・ワンボックス専門店ラインアップ」代表の菊池です。
「快適に長旅の家族旅行が出来たらいいな」「安くて丈夫な大きなファミリーカーが欲しい」
そんな家族にオススメなのが、TOYOTAアルファードです。
一昔前まで、中古車でありながら200万円を超えていた10系アルファードですが、新型30系アルファードの登場もあり、2019年4月現在では、100万円以下で十分に手が届く車種になっています。
でも、「アルファードって人気があるけどどんな所が良いのか?」「実際に乗った時のシートアレンジや荷室の広さとかはどんな感じ?」など、いろいろと分からないことが多いと思います。
そこで今回は、10系アルファード(発売期間2002年~2008年)がどんな車なのか?について徹底的に解説したいと思います。
アルファード(10系)ってどんな車?
1 圧倒的な広さを持つ最高級ミニバン
アルファードの最大の特徴は、クラス最高級の室内空間で大人7~8人全員が乗ってもリビングにいるのと変わらないくらいゆったりとくつろげます。
シートアレンジも実用性の高い2列目回転対座シート、2列目折り畳みテーブル、3列目左右跳ね上げ、フルフラットシートなど、家族が使いやすいシートアレンジが揃っています。
前期型と後期型があり、【ついに手が届く!【アルファード10系・後期型】を徹底解説】こちらの記事で詳しく解説しています。
2 快適な乗り心地と静寂性
アルファードは、5ナンバーサイズのミニバン(ノア・ヴォクシーなど)と比較して、特に全長が長くなっています。この全長の長さが、直進安定性の高さを生み出します。
また、重量感のある車体によって、路面の凹凸や強風などに揺さぶられることも少なく、安定感抜群なハンドリングを実現します。
3 安全性の高さ
アルファードが選ばれる理由のなかで多いのが安全性です。もしもの事故が起きた際、乗員保護性能・安全性が高い頑丈な車体なので、あなたの大切な家族を乗せるにはピッタリの車です。
以前に書いた【【パパママ必見】軽自動車VSミニバン 安全性比較】こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
他のミニバンとの比較
10系アルファードと発売期間が近い、ライバル車でもある、C25型セレナ・50系エスティマとの比較を簡単にまとめました。
5点満点で比較します。
10系アルファード | C25型セレナ | 50系エスティマ | |
静寂性 | 5点 | 4点 | 5点 |
乗り心地 | 5点 | 3点 | 4.5点 |
燃費 | 3点 | 4点 | 3.5点 |
維持費 | 3点 | 4点 | 3.5点 |
シートアレンジ | 4点 | 5点 | 5点 |
収納スペース | 3点 | 5点 | 4点 |
静寂性と乗り心地について
アルファードは車体と排気量が大きく、シートの座り心地も非常に良いです。アルファードのエンジンは2.4Lと3.0Lがラインナップされていて、3.0LのV型6気筒エンジンは高級セダンにも搭載される、振動が少なく、なめらかでパワフルな加速が味わえるエンジンであるため、より一層静寂性に優れます。
そして、セレナは2.0Lエンジンです。2.0L程の排気量の小さいエンジンは、高速道路を走行した際に、エンジン音の大きさやパワー不足を感じます。エンジンの排気量の違いは高速走行になればなるほど差が生まれてくるので注意が必要です。
エスティマは2.4Lと3.5Lがあります。3.5LのV型6気筒エンジンは非常に静寂性に優れたエンジンでストレスを感じることなくドライブ出来ます。エスティマの2.4Lとアルファードの2.4Lは同じエンジンになります。
そしてシートの作りですが、アルファード・エスティマは高いホールド性を持ち、座り心地を重視して設計されています。
さらに、エスティマに比べてアルファードは車高が高く柔らかい足回りのため、乗り心地にも優れています。セレナは、シートアレンジの多様性を重要視された平べったい作りでホールド性に欠けるため、長時間・長距離のドライブで移動する際はアルファードに比べると疲労を感じやすくなります。
燃費について
アルファードとエスティマが街乗りで7~8km/l、セレナが9~10km/l、となります。アルファードの3.0L、エスティマの3.5Lはハイオク仕様になるため、その部分でも差が生まれてしまいます。
維持費について
排気量が大きい車の方が高額なため、セレナのような2.0L車と比較すると、アルファードは年間5000円~1万円前後変わってきます。車両重量は1501㎏~2000㎏に区分されるので変わりません。アルファードの3.0L4WD仕様の場合2000㎏を超えるため、さらに1万円前後高くなります。
アルファードの維持費について以前に詳しく書いた【アルファードはとても魅力的だが維持費が尋常でないほど高いんじゃないか?そんな疑問を解決!】こちらの記事も参考にしてください。
シートアレンジについて
アルファードは、回転シート、2列目折り畳みテーブル、フルフラットシートが主なアレンジ実例となります。
エスティマは、7人乗りモデルのゆったり座れるスーパーリラックスシートが最大のアピールポイントです。他には、フルフラットシートや、3列目床下格納シートがあります。
セレナは、1列目~2列目まで移動可能なセンターコンソールによって、ベンチシート・キャプテンシート・センターテーブル・フルフラットシートにアレンジ可能です。
ちなみに、アルファードはフルフラットシートにした場合、座り心地を重視したシート形状が原因となり段差が生まれてしまうため完全なフラットにはなりません。一方セレナは座り心地があまり良くないもののシートの形状は凹凸が少ないものになっています。
収納スペースについて
アルファードは小物入れしかありませんが、室内寸法が広いためトランポとして使うユーザーが多くいます。代表例として2列目シートを前方スライド、3列目シート左右跳ね上げした場合、
- 幅(下部でっぱり内)96cm
- 幅(3列目シート内)90cm
- 幅(最大)127cm
- 高さ120cm
- 2列目シートまでの奥行172cm
となります。これは、クラス最大級の広さを誇るアルファードならではの室内空間と言えるでしょう。
アルファードの詳しい荷室寸法の記事はこちらです
https://www.lineup-car.com/blog/13629.html
セレナ・エスティマは3列目後方の床下収納スペースがあり収納スペースは、セレナ・エスティマと比較してアルファードは優れていません。
こんな人にアルファードがオススメ!
ズバリ!アルファードをオススメする方は、「遠出や家族旅行によく行くファミリー」です。
アルファードのアピールポイントは長距離・長時間乗っても疲れない上質な乗り心地と静かな車内です。短距離の普段使いでは利便性の低い重い車ですが、長旅となるとアルファードが作り出す車内空間は快適なものになります。
10系アルファードでしたら、90万円以内で買える車が多いので小さな子供がいてお財布の紐が固い家庭でも購入出来る価格帯です。
ちなみに、20系アルファードですと、約110万円~230万円が相場価格(ボリュームゾーン)、30系アルファードですと、約300万円~500万円が相場価格となっています。80万円ちょっとで購入出来る20系アルファードも出回っていますが、安心して乗れる車が欲しいなら、相場の範囲内で選ぶべきです。
アルファードの使い方実例
シートアレンジ
・回転シート
リクライニングレバーを引き、背もたれを最大限前方に倒すと2列目シートを後ろ向きに回転させることが出来ます。家族でピクニックに行った際などにワイワイ楽しい空間を演出します。
・2列目折り畳みテーブル
専用のレバーを引いて2列目の背もたれを前に倒すとテーブルに変わります。4人でお出かけする際は3列目に乗車して2列目をテーブルにすると快適です。
・フルフラットシート
2列目・3列目シートをリクライニングさせると、フルフラットシートに変わります。毛布などを敷いて上手く平面に出来ると快適に車中泊が出来ます。
キャプテンシート
8人乗りのベンチシートと比較して左右にひじ掛けが付いているので、走行中も体が安定して疲労も減少します。さらに、2列目シートをウォークスルースペースとして使えるため、3列目シートとの行き来も容易に出来ます。
車種によってはリラックスチェアのような使い方が出来るものや、回転対座シートとして使えるものもあります。
7人乗りと8人乗り、子供のいるファミリーはどちらを選ぶべきか迷ったらについて詳しく解説した記事も参考にしてください。
https://www.lineup-car.com/blog/8464.html
アルファードのシートアレンジの操作方法を動画で実演しましたので、ぜひご視聴ください。
収納スペース(小物入れ)
アルファードの小物入れは少ないですが、必要最低限用意されています。
・センターコンソールBOX内
運転席と助手席の間にある、アルファードの小物入れの中で最も大きな収納スペースです。大きなおやつなども入ります。2列目からも出し入れ可能な位置なので家族で共有出来ますね。
・運転席側小物入れ
運転席右側にある小物入れです。大きなスマートフォンだと入りません。家の鍵やコインなどの小さな小物を収納出来ます。
・助手席グローブBOX(下側)
助手席側の下側にあるグローブBOXです。他のミニバンと同じくらいのサイズ感です。
・助手席グローブBOX(上側)
アルファードは助手席側の上下にグローブBOXがあります。
下側よりも狭いですが、車検証やメンテナンス書類を入れるスペースとサングラスや日用品を入れるスペースと使い分けることが出来るので意外と便利な装備です。
・インパネ中央小物入れ+灰皿
インパネ周りの小物入れです。かなり狭いですが電子タバコなどの小さなアイテムはピッタリ入ります。
・インパネ中央下収納ボックス
インパネのドリンクホルダー下にある収納スペースです。CDやDVDを収納するのに便利なスペースです。
ドリンクホルダー
・運転席・助手席ドリンクホルダー
一般的な車と同じ(インパネ中央下部)位置に装備されています。
・センターコンソールBOXドリンクホルダー
センターコンソールBOX後方の蓋を開けるとドリンクホルダーが出てきます。しっかりした底もあるので安定性があります。
・2列目ひじ掛けドリンクホルダー
8人乗り仕様の場合、2列目シートにひじ掛けが装備されています。ひじ掛けにはドリンクホルダーも装備されています。ひじ掛けを出した場合7人乗りになってしまうので注意が必要です。
・2列目スライドドアドリンクホルダー+小物入れ
左右スライドドアの足元にも小物入れとドリンクホルダーが装備されています。予備のドリンクなどを置いておくには良い位置です。
・3列目ドリンクホルダー+小物入れ
3列目シートの左右に2個づつドリンクホルダーが装備されています。2個づつあるので長旅でも役に立ちますね。
アルファードって運転が苦手なママでも乗れるの?
アルファードといえば大きなミニバンなので、「車庫入れが大変」、「小回りが効かない」といった理由で敬遠されるママさんも多いですが、バックカメラやコーナーセンサーが付いていれば、安全に車庫入れもできます。
コーナーセンサーについて詳しく解説した【コーナーセンサーってなに?ミニバンユーザーに必要?後付けも出来るの?】こちらの記事も参考にしてください。
安全装備付を選ぼう
トヨタ最高級ミニバンというだけあって、安全装備が充実しているグレードもあります。
- レーンモニタリングシステム
- 音声ガイダンス機能付カラーバックガイドモニター
- ブラインドコーナーモニター
- コーナーセンサー
- バックソナー
全て付いているアルファードはまれですが、これらのうち、どれかが装備されていれば、狭い道路や車庫入れの際にも運転をサポートしてくれるので安心です。
アルファードって小回りは効くの?
3ナンバーサイズのアルファードと5ナンバーサイズのノア・ヴォクシーを比較した場合、アルファードの最小回転半径は5.6m、ノア・ヴォクシーは5.5mとなっています。
この差を簡単に説明すると、アルファードは道路幅が11.2mあれば一発Uターンが出来、ノア・ヴォクシーは11mあれば一発Uターンが出来ます。その差は20㎝です。
アルファードの全長について【アルファードの全長は484cm、他と比べてどれくらい大きいの?】こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にして頂ければと思います。
アルファードの中古車購入時の注意点
・パワースライドドアの不良:修理費5万円~
パワースライドドアは市場に出回っている2割程度の車両が故障しています。また、パワースライドの引っ掛かりも含めると3割程度がトラブルを抱えている車両になるため、現車を見に行った際は必ず確かめておきましょう。
参考記事:アルファード中古車を買うならパワースライドドア故障に注意!
・天張りのたるみ:修理費10万円~
天張りのたるみは市場に出回っている2割~3割の車両がたるんでいます。内装を見る際に天張りまでは見ない方が多いので、見落とすことのないようにしましょう。
参考記事:アルファード10系で意外と知られていない!天張りの浮き・たるみ・はがれには要注意!
・3.0Lのオイル漏れ、にじみ
アルファードの3.0L車に多く見受けられるのがエンジンのオイル漏れ・にじみです。エンジンオイルが少ないまま走り続けると、エンジンの故障に繋がります。中古車の場合、素人が前オーナーの使用状況を判別するのは困難なため、オイル漏れ・にじみがある車両を見つけたら手を出さないようにしましょう。
・キー割れ
この年式のアルファードはキーの根元が割れやすく、エンジンを掛けようとした際に折れてしまうことがあります。
折れているもの、割れているものは根元の部分にビニールテープなどを巻いて固定しているものがほとんどですので、もし割れているキーを見つけたら納車前に交換出来るのか聞いてみると良いでしょう。
自分で直す場合ブランクキーと呼ばれる、削っていない状態のキーが1000円ほどで売っています。キーカットは普通の鍵屋さんで800円ほどで出来ますが、イモビライザーのチップを移設する必要があり、これを忘れてしまうとエンジンが掛からないので注意が必要です。
もしディーラーで作成した場合は2万円ほど費用が掛かります。
・ペット臭
アルファードは他のミニバンに比べてペットを乗せて使用するユーザーが多く、ペット特有の動物系のニオイが染み込んでいる車両もあります。家でペットを飼っている方、飼っていない方で感じ方が変わりますので、購入を考えている車両がある場合、ペットの毛が車内にあるかどうか、臭いがするかどうか、実際に確かめるべきです。
・職人系に使われた荷室
室内寸法が広いアルファードは職人系の方が仕事用として長期間荷物を載せている場合があります。その際、工具のみならず、シンナー系の薬品も積むことが多く、室内はボロボロで薬品臭い車になっています。内装も見てどんな使われ方をしてきたのか見てみましょう。
・ヘッドライト水入り
ヘッドライトの内側に水が入り込んで曇っている車両もあります。ここで注意して欲しいポイントは、展示されている状態で水が入っていなくても、エンジンが暖まってくるとヘッドライト内が蒸したような状態になり曇ります。
実際に見に行った際は、「ヘッドライト内側に水が溜まった形跡があるか?」「エンジンが暖まっても水分が出てこないか?」の2点はチェックしましょう。
実際に中古車販売店で中古の10万km超えアルファードを見極めるためにチェックしておきたいポイントを詳しく解説した記事はこちらです→https://www.lineup-car.com/blog/3065.html
アルファードの中古は、状態が良いものを見極めるのが難しい
アルファードは人気車種であるがゆえに様々な使われ方をされています。大切に使われた車もあれば、乱雑に使われた車もあります。
もともと壊れにくい車ですので、あまりメンテナンスが行き届いていなくても乗れてしまいます。しかし、長い期間乗り続けると大切に使われた車の方がトラブルが起きにくく大きな修理代も掛かりません。
様々な使われ方をした車は仕入れる際の見極めが非常に難しいです。車に詳しくない方が、価格の安さや走行距離やグレードだけで選んでしまった場合、粗悪車を買わされてしまう可能性も高くなります。
以前に書いた【アルファードの中古車価格のからくりとは?】こちらの記事も参考にして頂き、騙されないようにしてください。
残念なことに質の悪い中古車であると分かっていながら仕入れ、激安価格で釣る、悪質な販売店がこの業界には多く存在します。
ハズレを引かないためには、激安価格に釣られずに、あくまでも相場の範囲内でいかに程度のいい車を探すか、ということになります。
中古車選びは、お店選びが肝となりますので、優良店を選ぶことが最も大切になります。優良店の見分け方については、【良質な中古車店を見抜く9つのチェックポイント】こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にして頂けたらと思います。
今回の記事が、あなたの車選びに役立てばばうれしいです。
最後までお読みいただき本当にありがとうございました。