中古車屋さんで中古車を購入する時に必要な書類や取得方法・手順、皆様はご存知でしょうか?
買いに行ったその日にそのまま乗って帰れる、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
通常「購入・注文書を書く」→「名義変更に関する書類を揃える・入金」→「納車」という手順になりますので最低でも乗れるまで10日ほど掛かります。
「名義変更に関する書類」は一般の方々には聞き慣れないものだと思います。
そこで今回は、中古車購入(普通自動車・軽自動車)や下取り売却時に必要な書類と取得方法について分かり易くご説明したいと思います。
普通車を購入するときに必要な書類とは?
中古普通車を購入する際は下記3つの書類が必要になります。
①印鑑登録証明書
②実印を押印した委任状
③車庫証明
それぞれの書類を順をおって説明していきます。
①印鑑登録証明書って何?
大人になって数年経った方ならほとんどの方がご存知でしょう。
しかし成人してまだ間もない方では何なのかよくわからない方もいらっしゃると思います。
日本では個人の財産となる高額商品(不動産、自動車等)を購入する際、その所有権を証明する為に所有権証明書類に「実印」を押印する事で権利を証明するものと法律で定められております。
しかし、「これが○○さんの実印です」と勝手に主張するだけでそれが通ってしまうと悪用されてしまう事があります。
そこで「この印鑑は「実印」として役所に登録しました」という証明書類が「印鑑登録証明書」なのです。
①-1 印鑑登録証明書を初めて取る方は…
印鑑登録証明書を初めて取る方は先に「印鑑登録」をしなければ取得することができません。
そこでまず実印を作成し「印鑑登録」をする手順をご説明したいと思います。
①-2 印鑑登録の方法
①-2-1 ハンコ屋さんでハンコを作る
まずは登録する印鑑を購入しなければなりません。その印鑑ですが登録できないものがあります。下記を御覧ください。
- 印鑑は100円ショップで売っているような三文判やシャチハタ
- 他の人が既に登録している全く同じデザインの印
- 文字が欠損しているもの・判別ができないものや鮮明ではないもの
- 材質がゴムなどで変形しやすい
- 名前以外の文字が入っている
- 陰影の大きさが8mm×8mm以下のもの
- 陰影の大きさが25mm×25mm以上のもの
- 輪郭がないもの
ハンコ屋さんで作ってもらうのが一般的な方法となります。
値段は2016年12月現在インターネットで色々と検索した所、最安は1577円+送料140円というのを見つけました。
ご近所のハンコ屋さんでもほとんどのお店で最安で2500円くらいからで作成してくれます。
①-3 印鑑登録の方法
①-3-1 完成したハンコを持って市役所に行く
市役所に行く前にご自身に登録資格があるかどうか確認しましょう。
- 住居している市に住所登録がしてある事
- 年齢満15歳以上
- 外国籍の場合は外国人登録原票に記録又は登録をしている
- 外国籍の場合は年齢満16歳以上
次に市役所に持っていくものをご確認下さい。
- 官公庁が発行した写真付きの身分証明証(運転免許証・写真付き住民基本台帳カード・パスポート・外国人登録証)(保険証など写真がない身分証明証の場合登録に4日前後掛かります)
- 完成した印鑑
ここまで準備が整いましたら市役所に行きましょう。窓口時間(営業時間)は平日の8時30分から17時00分です。また地域によって土曜日も受け付けている場合もあります。例えば世田谷区役所では第二土曜日だけ受付をしております。
中に入ると「○○課」などのプレートが天井からぶら下がっておりますので「住民課」「市民課」を探して下さい。入ってすぐに総合案内がある区市町村役所もありますのでその職員に確認するとわかりやすいと思います。
印鑑登録を受け付ける窓口のすぐ傍に申請書が置いてありますので必要事項を記入しハンコと一緒に提出します。
これで印鑑登録が完了しました。数分後窓口から以後あなたが印鑑登録証明書が必要な際に申請するための「印鑑登録カード」が交付されます。
次の項では登録した印鑑の印鑑登録証明書を申請する方法をご説明致します。
①-4 印鑑登録証明書を申請する
①-4-1「印鑑登録カード」で申請する場合
「印鑑登録カード」を持参して区市町村役所の「住民課」「市民課」等に行きます。
そして受付窓口の傍にある申請用紙に住所や氏名など必要事項を記入し「印鑑登録カード」と一緒に窓口に提出します。(混み合っている役場ですと整理券を発行している機械から番号が書かれた紙を貰っておく必要がある場合があります。)
数分待てば交付されます。その際手数料が300円前後掛かります。
本人でなく代理人が申請する場合も「印鑑登録カード」だけ持っていけばOKです。委任状などは必要ありません。
①-4-2「住民基本台帳カード」「マイナンバーカード」で申請する場合
役所の他、全国のセブンイレブン・ローソン・サークルK・サンクス・ファミリーマート・Aコープ・セイコーマート・イオン・コミュニティストア・セーブオンのコンビニエンスストア等のキオスク端末(マルチコピー機)から取得できます。
毎日6:30から23:00まで、ご利用いただけます。※年末年始(12月29日~翌年1月3日)を除きます。
各店舗に設置されているキオスク端末(マルチコピー機)の画面に表示されている「行政サービス」ボタンを押して下さい。
出典https://www.lg-waps.jp/01-01.html
※注意1:マイナンバーカードによる印鑑登録証明書の申請ができるのは2017年1月以降です)
②「実印を押印した委任状」とは?
「委任状」とは一言で言えばクルマの名義変更を「委ねて任せる状」です。
余談ですが「委任状」はクルマの名義変更だけでなく、例えば住民票等の公文書を他人に取ってきてもらう時等も「委任状」は必要になります。
今回は中古車を購入する際に必要な書類についてお話をしておりますので今回こちらでご説明する「委任状」とはクルマの名義変更の為に使う「委任状」についてご説明致します。
②-1 委任状の用意
通常クルマ屋さんで購入した場合クルマ屋さんから貰えます。
もしも失くしてしまったり貰えなかった場合は下記の国土交通省のダウンロードページからダウンロードしてご利用下さい。
②-2 委任状の書き方
中古車屋さんからクルマを買った場合、代筆が料金に含まれておりますので委任状に実印だけ捺して他には何も書かず持ってきて下さい、と求められる事がありますが同じ土地で10年以上経営しているような実績のある中古車屋さんなら言われた通り任せて良いと思います。
しかし少々余談ですが、例えばヤフオク等の個人売買や自称クルマ屋さん等、どこの馬の骨とも分からないような輩に実印だけ捺してある白紙を渡してしまうことはハンコ社会である日本では大変危険な行為だと思います。
なのでその場合は必ず上図のように記入事項は記載した上で取引する事をオススメします。
用紙中央辺りに「移転登録」と記入しなければならないのですが、世間一般でよく言われる「名義変更」ですが正式名称は「移転登録」と言います。
「私、引っ越すわけじゃないんだけど・・・」とお思いかもしれませんがクルマ主観で見てクルマは旧オーナーから新オーナーへと所有権が移転する訳ですのでそのような名称になっております。
また住所の書き方ですが「○○県○○市○○町1丁目の1番1」という感じで印鑑登録証明書や住民票等に書いてあるような正式な書き方をしなければなりません。
悪い例「○○県○○市○○町1-1-1」
③車庫証明
車庫証明とは購入するクルマの駐車場をきちんと準備してあるという事を証明する書類です。取得方法は申請用紙に必要事項を記入し管轄警察署の車庫証明係に申請し一週間ほど待って交付されます。申請には下記3つの書類を管轄警察署に提出します。こちらの記事でも車庫証明を詳しく解説していますので参考にしてください。
[clink url=”https://www.lineup-car.com/blog/5771.html”]
③-1 必要な3つの書類とその書き方
- 自動車保管場所証明申請
- 駐車場の所有者が他人の場合「使用承諾書」・駐車場の所有者が自分の場合「自認書」
- 保管場所の所在図・配置図
③-2 自動車保管場所証明申請
警察署や中古車屋さんで貰える車庫証明の申請用紙は複写式になっております。1枚目に書けば複写されますがそれ以外は印紙を貼らなければなりません。
印紙は埼玉県と東京都では合計2600円必要となります。警察署の車庫証明係があるすぐ近く(警察署内)で売っています。
また申請用紙は埼玉県警、警視庁のサイトからダウンロードすることもできますが、複写ではありませんのでそれぞれに同じ内容を記入しなければなりません。
埼玉県、東京都以外の方は「○○県 車庫証明 ダウンロード」で検索して下さい。
記載内容はどの都道府県もだいたい同じですので下記を参考に記入して下さい。画像をクリックすると拡大されます。
印紙は埼玉県、東京都の場合は二枚目に2100円と三枚目に500円を貼ります。複写の場合は四枚目は特に何もしなくてOKです。ダウンロードの場合は繰り返し必要事項を記入して下さい。
③-3 駐車場の所有者が他人の場合「使用承諾書」・駐車場の所有者が自分の場合「自認書」
画像をクリックすると拡大されます。
もしも車検証の名義と駐車場土地の所有者が同じ場合は自認書となりますので上図の「保管場所使用権原疎明書(自認書)」の箇所にチェックを入れて下さい。後は図を参考にご記入下さい。
また駐車場土地の所有者が例えばご両親であったり、または月極駐車場の場合は「保管場所使用承諾証明書」の箇所にチェックを入れて下さい。後は図を参考にご記入下さい。
月極駐車場の場合はその駐車場管理会社(不動産屋)に持っていけば記入してくれます。
③-4 保管場所の所在図・配置図
下図のように記入して下さい。「所在図記載欄」はGoogleマップなどを印刷して貼り付けてもOKです。なお、使用の本拠の位置から保管場保までは地図上の直線距離で2km以内と定められておりますので注意が必要です。
「配置図記載欄」は停める場所と出入り口を明確に書いて下さい。画像をクリックすると拡大されます。
③-5 上記書類を警察署に提出に行く
上記書類に必要事項を記入しましたら警察署に行きましょう。申請書に捺印したものと同じ認印も持参した方がベストです。訂正などがあった場合にその場で訂正印を捺印出来るからです。殆どの警察署で入ってすぐに「印紙販売係」がすぐわかる所にあると思いますので、そこで印紙を購入し貼り付けて「車庫証明係」に出して下さい。
印紙の貼り方は上記図をご覧下さい。
殆どの警察署で案内プレートが天井からぶら下がっているかカウンターに置いてあるかとなております。
「控え」を貰いましたら、控えに交付日が書いてありますので確認し、その日になりましたら再び取りに行きましょう。
普通車のまとめ
「①印鑑登録証明書」「②実印を押印した委任状」「③車庫証明(交付されたもの)」の3つの書類が揃ったら中古車屋さんに早急に渡しましょう。
早ければ早いほど納車も早まります。
また印鑑登録証明書は発行されてから3ヶ月以内、車庫証明は40日までと移転登録(名義変更)をするためには書類に期限がありますのでご注意下さい。
軽自動車を購入するときに必要な書類とは?
中古軽自動車を購入する際は下記書類の3点が必要となります。
①住民票(印鑑登録証明書でも可)
②申請依頼書
③必要な地域のみ車庫証明(保管場所届出)
①住民票とは?
個人の氏名・住所・生年月日等を記録した帳票をいいます。
ご両親と一緒にご実家で暮らしている方ならこれから登録等の作業をしなくても、すぐにその市区町村役所で発行する事ができます。
一人暮らしの方でも引っ越した際に役所に住民登録をしてあれば、その区市町村役所で発行する事ができます。
①-1 発行方法
区市町村役場に行きますが持っていくものを確認したいと思います。
- パスポート又は運転免許証などの申請に行く人の写真付き身分証明証
- 認印(地域によっては必要ない場合があります。)
これらが用意できましたら区市町村役所の「住民課」もしくは「市民課」に行きましょう。
窓口近くに置いてある「住民票などの請求・申出書」と書かれた申請用紙に住所氏名生年月日など必要事項を記入し捺印の指定がある場合は捺印もします。
出典http://xn--pqqy41ezej.com/?p=755
上記は川崎市の申請用紙です。地域によって若干書式が異なりますがだいたい同じです。
申請用紙の記入欄に「必要な証明」という欄に「住民票」「記載事項証明書」・・・など色々と選択肢が4つありますので「住民票」にチェックを入れて下さい。
その中に「全員の写し」「一部の写し」とありますので「一部の写し」にチェックをいれご自身の氏名と生年月日を記入します。
書き終わりましたら受付窓口に提出して下さい。多少間違っていても受付の職員が直してくれます。(混み合っている役場ですと整理券を発行している機械から番号が書かれた紙を貰っておく必要がある場合があります。)
②申請依頼書
クルマ屋さんが軽自動車の名義を購入者の名義に変更する手続きを行う際に新所有者(購入者)の認印が捺してある「申請依頼書」が必要です。
「申請依頼書に認印を捺印したものを提出する」でも事足りるのですが、クルマ屋が書類代筆の際に記載ミスをした場合手元に認印があればすぐに修正する事ができます。これは各クルマ屋さんが納車に遅れを出さない為に講じている手段です。
例えば普通車のように実印の場合常識的に考えて他人に預けるなどできませんが、100円ショップでも購入できる認印の場合、認印自体を預けて欲しいと求められます。
もちろんどうしても抵抗がある場合や、諸事情などにより預けられない場合は上記で申し上げた通り申請依頼書に認印を捺印したものを提出すればOKです。
画像をクリックすると拡大します
③車庫証明(保管場所届出)
軽自動車の場合は厳密には「保管場所届出」と呼称され普通車とはシステムや役割が異なります。
・軽自動車の車庫証明(保管場所届出)はほとんどの地域で不要となります。
都会ではない地域はほぼ全て必要ありません。お住いの地域が必要か否かは「○○市 軽自動車 車庫証明」で検索するか、もしくは購入した中古車屋さん、または管轄の警察署交通課で確認して下さい。
・主に「県庁所在地の区市」「人口10万人以上の区市」などが必要となります。
但し軽自動車の車庫証明は普通車とは違い移転登録(名義変更)をする際には必要は無く、あなたの名義になった後15日以内に届出を行う事と制定されております。
・もしも届出をしなかったら罰則はあるのか?
軽自動車の車庫証明(保管場所届出)が必要な地域で手続きをしなかった、又は例えば契約していない駐車場を契約した等と嘘偽の届出をした場合は10万円以下の罰金刑に処せられる事があります。
軽自動車まとめ
普通車とは違い住民票と認印だけで移転登録(名義変更)ができます。
車庫証明は特定地域以外は必要ありませんが青空駐車は他人に迷惑がかかってしまう場合があり、さらに駐車違反となれば違反金も払わなければなりません。
筆者からのお願いとしては車庫証明は不要でも駐車場は確保しましょう、といったところでしょうか。
下取車・売却のときに必要な書類とは?
中古車購入の際に今まで乗っていたクルマを手放す場合があります。
その場合、下取車・売却、それぞれの書類が別途必要になります。
①(普通車の場合)譲渡証明書・(軽自動車の場合)申請依頼書
②(普通車の場合)印鑑登録証明書
③(普通車の場合)実印を押印した委任状
④車検証/リサイクル券/自賠責保険証書/納税証明書
①譲渡証明書とは?
今まで乗っていた自分名義のクルマを譲渡する意思がある事を証明する書類です。
画像をクリックすると拡大します。
軽自動車の場合は、申請依頼書の「旧所有者」欄へ氏名・住所・認印の捺印をします。
②(普通車の場合)印鑑登録証明書
- 下取りにするクルマが
- →普通車の場合は印鑑登録証明書が必要。取得方法は上記↑(ページ上部に移動します)を御覧下さい。
- →軽自動車の場合は住民票が必要。取得方法は上記↑(ページ上部に移動します)を御覧下さい。
③実印を押印した委任状
購入車用と同じ書式で書き方も同じですが車体番号だけ異なります。
車体番号の記入欄は現在のあなたのクルマ(下取り車)の車体番号を記入します。またここはナンバープレートの番号でもOKです。
④車検証
下取車・売却車の車検証/リサイクル券/自賠責保険証書/納税証明書です。
通常は車検証ケースなどクルマの中に積みっぱなしだと思いますので下取りに出す日にそのまま乗っていけばOKです。
納税証明書は毎年の自動車税の納税証明となります。紛失してしまった場合は、支払いがしてあれば販売店が納税事務所で確認や発行してくれる場合が多いので要相談となります。
下取車の必要書類、注意点
引っ越しなどで下取車の車検証に記載されている住所と現住所が違う場合は、住所の繋がりを証明する書類が追加で必要となります。1回のみの変更であれば「住民票」2回以上の変更であれば「除票」が必要となります。下取り車ありでクルマを買うと少々書類がややこしくなりますが、購入車用、下取り車用と別々にまとめれば間違いにくくなると思います。
中古車の購入と下取/売却に必要な書類一覧
- 普通車を購入する場合
-
必要数 取得場所 印鑑登録証明書 1枚 区市町村の役場 委任状 1枚 販売店 車庫証明 1部 管轄の警察署
- 軽自動車を購入する場合
-
必要数 取得場所 住民票 1枚 区市町村の役場 申請依頼書 1枚 販売店
- 普通車を下取りに出す場合
-
必要数 取得場所 印鑑登録証明書 1枚 区市町村の役場 委任状 1枚 販売店 譲渡証明書 1枚 販売店
- 軽自動車を下取りに出す場合
-
必要数 取得場所 申請依頼書 1枚 販売店
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
この記事があなたの車選びに少しでもお役に立てば嬉しく思います。
最後までお読みいただき本当にありがとうございました。