レーシングカーのようなパドルシフト。ミニバンに必要なの?
カーセンサーやグーネット(Goo-net)で欲しいクルマを探していると「パドルシフト付」というキーワードを一度は見かけたことがあるのではないでしょうか?
「よくわからないけどなんか凄そうなモノが付いている!」
旦那さん「このパドルシフトってのがカッコイイんだよ。」
奥さん「なにそれ?そんなの必要あるの?」
家族みんなで乗るミニバンを探しているあなた。
旦那さんや奥さん、家族とそんな会話もあったかもしれません。
「パドルシフト」とは一体何なのか?
それはミニバンみたいなファミリーカーにも必要なのか?
ちょっとだけ検証してみましょう。
Q:「パドルシフト」ってなんなの?
A:まずはこちらの動画を御覧下さい。
このようにハンドルから手の位置を変えずにシフトチェンジできるレバーが付いているモノを一般的に「パドルシフト」と云います。
あくまでもオートマチックトランスミッションがベースとなり、一般的なオートマチック車のシフトレバー「1~D」をマニュアル車のようにドライバーの操作によって変速させる事と同じ結果になります。
Q:これが無いと運転できないの?
A:無くても全く通常通りの運転ができます。
パドルシフトレバーの他、一般的なオートマチック車に付いている普通のシフトレバーも全てのパドルシフト車に付いております。
Q:じゃあ付いていると何か良い事があるの?
レーシングカーが好きな人にはそういう気分を味わえるという、良い事があります。
実用性は一切ありません。
そういうものに全く興味がない人、興味はあるけどミニバンでやるべき事ではないとお考えの人には全く無用となります。
中には「下り坂などでエンジンブレーキを使う時便利だ。」と言うユーザーもいらっしゃいますが、普通のオートマチック車のシフトレバーに付いている「オーバードライブボタン」を押せばDギア(4ATなら第四速)から第三速にチェンジされ目的は達成されます。
また、「走行中、信号が赤に変わった時など、減速する時便利だ。」と仰る、減速の際に「ブォーン・・・ヴォーン・・・ヴォーン・・」とマニュアルのスポーツカーやバイクのようにシフトダウンするユーザーも居るかもしれませんが、一般公道を普通に走る上でそれをおこなうメリットは一切ありません。
むしろ、きちんと回転数が合ってないと、おこなう度にトランスミッションにダメージを与える事になりますので、寿命よりも早く壊れてしまうかもしれません。
Q:じゃあ、なんで付いているの?
A:メーカーの遊び心としか言いようがありません。
クルマはただの移動手段ではなく「ワクワクドキドキ」するものである事。
小さなお子さんがいる若い家族ユーザーに限るのであれば、家族みんなで海や山、キャンプなどにお出かけし、子どもたちが子供の時代にしか作れない思い出を作る、そのための快適な移動手段である事。
そんなただの移動するためだけの機械ではない、ユーザーに「楽しさ」や「満足感」を感じさせる、その為の演出のひとつと言えるでしょう。
パドルシフトが付いたからといってそれだけで価格が倍以上に高くなるものではありません。
ステップワゴン(RG系)の24ZグレードやノアSi・ヴォクシーZS(70系)はパドルシフトが付いており、設定が無いそれ以外のグレードと価格の比較をすると、新車時も現在の中古車市場でも値段差は10万円以上となります。
それはパドルシフトの有り無しではなく、ノアSiとヴォクシーZSはそれ以外のグレード車とは違う少し高性能なエンジンが搭載されており、燃費性能もやや良くなるなど、それ以外の部分の評価によって値段に差が生じます。
パドルシフトは後付で取り付けられるキットも社外のメーカーから販売されております。
実はフルオートマチックが最も速い!?
モータースポーツの最高峰F1では現在はレギュレーションによりフルオートマチックが禁止されておりますが、禁止される前、とあるチームが完全フルオートマチックのマシンで参戦し、人間が操作するパドルシフトのマシンに圧勝したという事例があります。
(現在のF1はほとんどのチームがパドルシフトのマシンを採用しております。)
人間が操作するパドルシフトよりも、完璧なタイミングで一切の無駄がない最適なギアチェンジをコンピューターが行います。
F1マシンとは違い一般車のオートマチックトランスミッションは速く走るためではなく、燃費性能においての最適なギアチェンジに重きを置いてますが、人間が行うよりもコンピューターが行ったほうが効率的で無駄が少ないのです。
まとめ
パドルシフトとはハンドルから手をほとんど動かさずにシフト操作できるレバーが付いたモノを指す。
シフトチェンジはコンピューターに任せるのが一番無駄がなく、人間がおこなうよりも省燃費で、尚且つミッションの寿命も延ばす為、「パドルシフトに実用性があるのか?」と問われればその答えは「一切無し。」と言える。
ミニバンだけどたまにはレーシーな気分を味わいたい、そんな人にオススメの「メーカーの遊び心」な機能と言える。
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
この記事があなたの車選びに少しでもお役に立てば嬉しく思います。