こんにちは。埼玉県入間郡三芳町にある、コミコミ80万円以下のミニバン中古車専門店ラインアップです。
中古車屋に行くと、どの営業マンも「この車は程度がいいですよ!」と言うのですが、実際にはそんなことはあり得ません。
また、ネットの嘘の情報を信じ込まされて、実際に中古車購入で失敗する被害者が後を絶たないのが現実です。そこで、16年間続くミニバン専門店の代表である私が、プロの視点で、車のチェック方法や手を出してはいけない車の見極め方など、いい中古車の選び方を指南したいと思います。
ちなみに、今回の記事は、雑誌『ベストカー』からの依頼で、特集記事用に書いたものを、ブログ用に加筆修正して、より分かりやすくしたものです。
過去に中古車購入で苦い思いをしたことがある方や、車にぜんぜん詳しくない方、そういった方にはぜひ読んでもらうと、すごく役にたつ内容になっています。
そして、「車の良し悪しを確実に見極めることができる方法」を知ってもらい、調子のいい営業マンのトークに騙されずに、あなたのご予算の中で最大限、程度のいい車を手にしてもらえたらうれしいです。
「いい中古車を買うための、3つの掟」
買った後、故障ばかりで修理代がかさんだ、無事故と言われて買ったのに実は事故車だった、約束が守られておらずお店とトラブルになった。
これらはよくある失敗談です。中古車購入で失敗しないために、今から紹介する絶対に外せない「3つの掟」を守ればハズレを引く確率がグッと下がり、後悔することもなくなるでしょう。
掟その1.内外装がキレイであること
ボディや車内が綺麗な車は前オーナーが大切に扱ってきた証でもあり、当然、エンジン等の機関面もメンテナンスが行き届いていることが多いため、程度の良い中古である確率が高くなります。
逆に、ボディに目立つ大きなキズ凹みが多数あるまま直さずに乗っているようなオーナーが小まめにオイル交換や整備等のメンテナンスを行っていたとは考えづらいです。当然、エンジン等の機関面の状態も悪いことが多く、故障が多発するような粗悪車の確率が高いと言えます。
また、車内が汚いのも注意が必要。特にタバコやペットの臭いは取れないので購入後もずっと悩まされることになるので絶対に避けるべきです。
掟その2.鑑定書付きであること
中古車の鑑定書とは、第三者機関が発行する書類のことで、なぜ、鑑定書が必要なのかというと、中古車の重要な項目を中立な立場で評価してくれるからです。中でも重要な、「走行距離が実走行かどうか」「修復歴の有り無し」について、客観的な評価を得ることができます。
このように、第三者機関が発行する鑑定書が付くことで、その車の状態を書面で保証されるという大きな安心を得ることができるのです。
逆に、鑑定書が付いていない場合は、自分自身で判断するか、営業マンの何の根拠もない説明を信じるしかなくなってしまいます。車に詳しくなかったり、間違いのない中古車選びをしたい!と思っているのであれば、鑑定書付きの中古車を必ず選ぶ必要があります。
鑑定書について詳した説明動画がありますので、ぜひ参考になさってみてください。
掟その3.優良店から買うこと
中古車は新車と違い、買うお店によって車の質も購入した後のサポートもまるで異なるのでお店選びが重要です。中古車を購入する際に、年式や走行距離などの車両スペックと価格にしか目がいかない方が多いですが、そのような考え方だと、粗悪車を掴まされる可能性が高くなるでしょう。
中古車購入に失敗したくないのであれば優良店から買うことが重要です。優良店では、内外装がキレイな車のみを展示し、鑑定書や、手厚い保証も付けて販売し、スタッフも親身に相談に乗ってくれます。
このように優良店であれば、「車の質」「整備の質」「保証の質」「接客の質」にこだわっており、お客を騙したり、粗悪車を売ることは決してないからです。
「2~3年前に発売された日本車+走行距離は短い+なのに売値は安い」。誰もが食いつきそうな車だが、疑うべきところがあるとするならココだ!
① 事故隠し
本当は修復歴があるにも関わらず、無しと偽っている
② 走行距離改ざん
例えば、走行30万キロ→3万キロへ走行距離が改ざんされている
③ サビ腐食
下回りがサビ腐食でやられている
「事故隠しや走行距離改ざんなんてそうそうないでしょ!」と思われるかもしれないですが、毎年逮捕者がでるほど後を絶たないのが現実です。「スペックの割に激安だ、掘り出しものを見つけた!」と飛びつくとこういった粗悪車を掴まされることになるので注意が必要です。
「プロはココを見る!中古車チェック方法を伝授!」
プロが特に重要視しているチェック項目は、ズバリ、エンジンです。なぜなら、故障したら高額な修理費がかかる箇所だからです。エンジンは故障すると何十万単位の修理費がかかるので特に念入りにチェックする必要があります。
エンジンのチェック方法は、始動時の掛かり具合や吹け具合、アイドリング状態をみるのは当然として、見落としがちですが、排気ガスの色や臭いもチェックする必要あります。白煙や黒煙が酷いものは絶対に避けるべき。
ここでは、エンジン以外も詳しく解説していきたいと思います。
1.エンジンルームチェック方法
- フィラーキャップ(エンジンオイルの蓋)を開けてスラッジの付き具合をチェック。スラッジが多いものは避けるべき。
- ラジエーター冷却水のオーバーヒート痕跡がないかチェック。冷却水漏れ跡である白い固着物が多数ある場合は避けるべき。
- エンジン内部から異音がしていないかをチェック。カチカチ・ガチガチといった異音が混じっているのは避けるべき。
2.下回りチェック方法
- サビ腐食のチェック。下回りを覗き込み、サスペンションやマフラーなどにサビ腐食がないかをチェック。サスペンショントラブルは事故に直結するので、サビが酷いものは絶対に避けるべき
- オイル漏れ・水漏れのチェック。酷い漏れの場合だと、アンダーカバーや地面にも垂れているので、そういったものは避けるべき。
- 突き上げ損傷をチェック。サスペンションを強打しているものは避けるべき。
3.外装チェック方法
- ボディは斜めから確認してキズ凹みをチェック。キズ凹みが多いものは、エンジンなどの機関面の状態も悪いことが多いので避けるべき。
- フロントガラスの飛び石キズやヒビ割れをチェック。小さくても亀裂が入っていると、後々大きな亀裂に発展することが多いので避けるべき。
- ライト等レンズ類のヒビ割れ・曇りをチェック。特にヘッドライト内側の水滴や曇りは修理が困難なので避けるべき。
プロが教える外装のチェック方法をわかりやすく動画にまとめましたので、ぜひ参考になさってみてください。
4.エンジン・エアコン・電装系チェック方法
- エンジンの掛かり具合・吹け具合・アイドリング状態をチェック。アイドリングが不安定だったり白煙が出るものは故障しているので避けるべき。
- エアコン風量や冷え具合、臭いをチェック。エアコンスイッチON時にエンジン回転数が上がらない場合、ガス抜けorコンプレッサー故障なので避けるべき。
- カーナビをチェック。自車位置がズレていたり、タッチパネルが効かないものは避けるべき。
動画で詳しく解説していますので、ぜひ参考になさってみてください。
5.車内の状態のチェック方法
- 車内の汚れ・臭いをチェック。ペットの毛が隙間に落ちていたり、シートやカーペットに焦げ穴があるものは臭いも付いているため避けるべき。
- ハンドルの擦れ破れをチェック。ハンドルの革部分が破れていたり色褪せが酷いものは避けるべき。
- 各シートが正常に動くかチェック。シートレールのゴミ詰まりや動作不良でシートの動きが渋いもの、電動シート作動時異音が出るものは避けるべき。
私が解説した動画もぜひ参考にしてみてくださいね。
「クルマのカテゴリー別、いい中古車を見極める方法」
<軽自動車>
軽自動車は修復歴が無いものを選ぶべき!
なぜなら、軽自動車は普通車と比べた場合に、骨格(フレーム)の強度が弱く歪みやすいため、様々なトラブルが起こりやすいからです。
例えば、真っ直ぐ走らなかったり、ドアがズレて締まりづらい・雨漏りしたり、走行中にエンジンが落下した事例もあるほど。
<ハイブリッドカー>
走行距離の少ない、低走行車を選ぶべき!
なぜなら、走行距離が多くなるほど、ハイブリッドカーの要である、バッテリーの消耗も進み、燃費がどんどん落ちていくのと、バッテリーやユニットの修理費が高額(10~50万円)だからだ。過去燃費計をチェックして燃費が落ちてないか確認してみよう。
<ミニバン>
車内が汚い・臭いがキツイものは避けるべき!
なぜなら、ファミリーユーザーが多いミニバンだけに、小さな子供を乗せることも多いため、キレイで衛生的である必要があるからです。
タバコやペットなど異臭は取り切れないので要注意。出来るだけ車内がキレイなものを選ぼう。
<スポーツカー>
車検対応になっている車を選ぶべき!
なぜなら、マフラーや車高調などの社外パーツが多く取り付けられている事も多く、買い得感はあるものの、車検に通らないとなると、純正パーツに戻す手間暇や金銭的負担が発生してしまうからだ。
<SUV>
サビが少ないものを選ぶべき!
なぜなら、特に4WDの場合は、サビ腐食でやられていることが多いので、事故に直結するトラブルが起こる確率が高くなるからです。
パッと見の外装はキレイでも、下回りはサビ腐食でボロボロといった粗悪車を掴まされないためには、下回りのチェックは必須。
<セダン>
フロントガラスの飛び石傷が少ないものを選ぶべき!
なぜなら、仕事で高速移動が多いセダンは、フロントガラスの飛び石キズが付きやすく、徐々に大きなひび割れに発展することがあるから。
同様に、ボンネットやフロントバンパーが飛び石傷だらけなものも避けるべき。
また、喫煙率が高い車種なので臭いにも注意しよう。
<輸入車>
並行車ではなくて、ディーラー車の保証付きを選ぶべき!
なぜなら、国産車と比べて故障が多く修理費が高額な車種だからです。
価格の安さに釣られて並行車を買うと痛い目に遭うことは必至。
ディーラー車で保証付きを選ぼう。ただし、手薄な名ばかりの保証が多いので、手厚い保証内容かを確認すること。
「あなたはこんな間違った中古車選びをしていませんか?」
あなたは中古車の程度の良し悪しをどのように判断していますか?
もしあなたが、「ワンオーナーだから程度がいい」、「大手で扱っている車だから間違いないはず」、などと、思い込んでいるのなら、とても危険!認識を変えるべきです。
中古車選びで、よくある間違いをプロならではの視点で解説していきます。
①ワンオーナーは程度がいいと思っている
ワンオーナーだからといって、程度が良いという根拠には全くなりません。なぜなら、メンテナンスを全然してきていないワンオーナー車だったら、ただの粗悪車だからです。
ついでに言うと、女性ワンオーナーなら程度極上?これもあり得ません。ボンネットも開けた事がなく、オイル交換って何?という車の知識がぜんぜん無いような、前オーナーの車が状態が良いはずがないからです。
例外的に、法人ワンオーナーでディーラー管理ユーザーであれば状態がいいものが多い傾向ですが、数は少ない。
多くの場合、「ワンオーナー」は営業マンが売るためのセールストークに過ぎないのです。
過去に書いた、【暴露】ワンオーナーの中古車は本当に程度が良いのか?の記事でも詳しく書いていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
②記録簿付きは程度がいいと思っている
過去の整備記録が残っているからといって程度がいいと思い込むのは危険です。なぜなら、最も大切なのは今現状の状態だからです。
今現状の状態を知るためには第三者機関が発行する「鑑定書」が必要となります。鑑定書には内外装の状態やエンジンなど機関面の状態、修復歴の有無や実走行かどうかなど、今現状のコンディションを鑑定士が評価し、書面で保証されるので、間違いない中古車選びができるのです。
③走行距離が少ない方が程度がいいと思っている
多くの人は、走行距離が少ないほど、程度がいいと思い込んでいますが、常にそうだとは限りません。なぜなら、ずっと不動で放置されていたケースや、最悪のケースだと走行改ざん車の可能性もあるからです。経過年数に対して極端に走行距離が少ない場合は注意が必要です。
走行距離の目安は、年間1万km走行で考えるといいでしょう。例えば、8年前の中古車であれば、走行距離8万kmが多くもなく少なくもない走行距離となります。もし、これが、走行距離2万kmとかだったら、怪しいと疑うべきです。車は機械なので、適度に動いている方が調子が良いことが多いということも覚えておいてください。
走行改ざんについて詳しく解説した、「中古車の走行距離」信じて良いのか?改ざんの手口と対策方法とは。こちらの記事もぜひお読み頂きお役立てください。
④大型店で扱っている中古車は程度がいいと思っている
知名度の高い大手だから変な車は扱っているはずがない、と思っているのであれば危険です。なぜなら、大手はアフィリエイトサイトで自分たちに都合がいいように情報操作しているケースが多いからです。
知名度の高い大手ですら、引っ掛け商法や、保証無し現状販売車を「アウトレットカー」と名前を変えてごまかしたり、強引な押し売りをしたり、違法スレスレのグレーな販売手法に手を染めているのが中古車業界の悲しい現実です。
⑤修復歴なしは程度がいいと思っている
修復歴が無ければ無条件で状態が良いと思い込んでいるのであれば、認識をかえる必要があります。なぜなら、修復歴なしでも、ボディ下回りを強打してサスペンションアームが曲がって真っすぐ走らない車もあれば、下回りがサビ腐食でボロボロの粗悪車もあるからです。
中古車の状態は、内外装の状態やエンジンなど機関面の状態、下回りの状態、鑑定書による第三者の評価も含め、総合的に判断するのがプロの見極め方です。
よって、「修復歴なし=程度がいい」という事ではなく、修復歴の有無は、一つの判断材料にすぎないのです。
このように、間違った思い込みと、悪徳業者の罠によって、「中古車購入で失敗してしまった・・」という人が後を絶たないのが現実です。特に、相場よりも激安で売られている中古車は危険だらけでリスクしかありません。
いかがだったでしょうか?今回の記事があなたの車選びに役立てばうれしいです。
最後までお読みいただき本当にありがとうございました。