みなさんこんにちは!埼玉県にある「ミニバン専門店ラインアップ」代表の菊池です。
車を購入する場合、購入費用ばかりに目が行きがちですが、ランニングコストもしっかりと考えて購入する必要があります。
また、車に関連する税金が意外と多く、思わぬ負担になりかねません。
車にかかる税金の中でも、負担額が大きな自動車税はどのような形で納税して、もし滞納した場合はどうなるのでしょうか。
本記事では、自動車税を滞納した場合のリスクや、支払えない時の対処法などを紹介します。
自動車税納付書はいつ届く?納付期限は?
自動車税とは、元々は都道府県や市町村における道路に関する費用として補填するために、自動車取得時にかかる税として自動車取得税が創設されたのがきっかけです。
そして、2009年度からは税収を道路関係以外にも活用できるようになりました。
ただし、2019年に消費税率が10%となったタイミングで廃止され、新たに自動車税と軽自動車税の環境性能割が創設されたのです。
自動車税の支払いは、年に1度おこなう必要があり、車種や用途、排気量により4月1日時点の車の所有者が以下の金額を納税しなければなりません。
排気量 | 自動車税額 | 引き下げ額 |
---|---|---|
1,000cc以下 | 25,000円 | 4,500円 |
1,000cc超1,500cc以下 | 30,500円 | 4,000円 |
1,500cc超2,000cc以下 | 36,000円 | 3,500円 |
2,000cc超2,500cc以下 | 43,500円 | 1,500円 |
2,500cc超3,000cc以下 | 50,000円 | 1,000円 |
3,000cc超3,500cc以下 | 57,000円 | 1,000円 |
3,500cc超4,000cc以下 | 65,500円 | 1,000円 |
4,000cc超4,500cc以下 | 75,500円 | 1,000円 |
4,500cc超6,000cc以下 | 87,000円 | 1,000円 |
6,000cc超 | 110,000円 | 1,000円 |
自動車税をいくら負担しなければならないのかについては、納税納付書(通知書)に記載されています。
納税通知書は、車検証に記載されている住所へ毎年5月上旬頃までに郵送される場合が多いです。
納税通知書には、納税額だけでなくいつまでにどのようにして納税するのかが記載されています。
支払い期限については、青森県と秋田県が6月30日、その他都道府県は5月31日に定められています。
自動車税の支払い忘れや滞納でともなうリスクとは
自動車税は税金の一種であり、支払い忘れや滞納してしまうと、様々な悪影響を及ぼします。
自動車税を期限内に支払えない場合のリスクとして、以下が挙げられます。
各リスクについて、解説します。
延滞料金が加算される
税金を期限内に納税できない場合、追徴課税が課されてしまいます。
自動車税も例に漏れず、延滞金がかかってしまい、通常より余計に納税しなければなりません。
要するに、本来の納付期限を超えれば超えるほど、延滞金が増えていくことになるため、早急に支払う必要があります。
延滞金の計算方法については東京都主税局HPを参考にしてください。
車検が通せない
車を維持するためには、2年ごとに車検を受けなければなりません。
車検は、車を安全に運転できる状態であるかが点検されるため、車検を受けない限りは公道を走行することは禁止されています。
車検を受けて車検証を交付してもらうためには、以下の書類が必須となります。
- 前回の車検証
- 自賠責保険証
- 自動車税納付証明書
上記の中で、自動車税納付証明書とはその名のとおり自動車税を納付したことを証明する書類です。
自動車税を納付しない限り、自動車税納付証明書が発行されないため、車検を受けられず車検証の交付ができません。
もし、車検切れの状態で運転した場合、30日の免停処分となり、さらに違反点数6点、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課されます。
車を売却できない
自動車を売却する場合、名義変更しなければなりません。
車の名義変更をおこなう際には、以下の書類を準備する必要があります。
- 譲渡証明書
- 旧所有者の印鑑証明書
- 新所有者の印鑑証明書
- 旧所有者の委任状
- 新所有者の委任状
- 車検証
- 新使用者の車庫証明書
- 手数料納付書
- 自動車税・自動車取得税申告書
- 申請書
上記において、自動車税納付証明書が入っていないため、自動車税を滞納していても売却は可能です。
ただし、名義変更する際には車検が有効である必要となり、車検を受けるには自動車税納税証明書が必須です。
よって、売却するタイミング次第では自動車税の未納状態では売却できない可能性があります。
また、自動車税が納税されたことが証明できない車は、敬遠されて売れにくいという側面もあります。
財産の差し押さえ
自動車税の滞納が続くことで、滞納金が徐々に膨らんでいきます。
もし、自分で支払えきれないような納税額となった場合、資産が差し押さえられるケースがあります。
資産の差し押さえが決定すると、滞納していた税金を払う以外の解決方法がなくなるため、注意が必要です。
自動車税の滞納で差し押さえされるまでの流れとは
自動車税を滞納し続けると、最悪の場合は資産の差し押さえまでおこなわれます。
ただし、滞納していていきなり資産の差し押さえが発生するわけではありません。
資産の差し押さえが発生するまでの流れは、以下のとおりです。
- 催促状
- 催告書
- 差し押さえ予告通知書
- 差し押さえ
納付期限を過ぎても自動車税を支払わない場合、通常20日以内に督促状が送付されます。
督促状が届いてすぐに対応すれば、係数が2.6%となるためまだ大きな負担はかかりません。
もし、督促状が届いても納税しなかった場合、次のステップとして催告書が送付されます。
催告書は警告の意味が多分に含まれており、書面にいつまでに納付すること、そして納付しない場合は差し押さえの可能性があることが明記されています。
この催告書をさらに無視していると、定期的に催告書が送られますが、それでも納税しないと差し押さえ予告通知書が届くのです。
差し押さえ通知書は、差し押さえをおこなうことを最終予告する内容となり。具体的にいつまでに支払いがない場合は差し押さるという厳しい内容となります。
さらに、滞納者の財産状況をチェックするために、官公署や金融機関、さらには勤務先への調査までおこなわれるのです。
差し押さえ通知書が届いても納税しない場合、最終段階となる差し押さえが執行され、差し押さえ内容が記載された差し押さえ調書(謄本)が送付されます。
差し押さえされるモノ
実際に、財産の差し押さえが発生した場合、以下が差し押さえられる可能性があります。
- 銀行口座:延滞金を含む自動車税の滞納分のみを差し押さえられるが、口座そのものは使用可能
- 給料:雇用先に債権差し押さえ通知書が届いて、健康保険などが差し引いた給料より自動車税滞納分が差し引かれる
- 自動車:所得がない場合や銀行口座に自動車税の滞納分を支払える預貯金がないば場合、自動車が差し押さえられるケースがある
上記の差し押さえだけで納税しきれない場合は、金融資産や土地、贅沢品なども差し押さえられてしまいます。
ただし、国税徴収法第75条によって、生活や営業に欠くことができない以下のような財産については、差し押さえの対象とはなりません。
- 衣服
- 寝具
- 家具
- 台所用具
- 畳や建具
- 生活に必要な3か月間の食料及び燃料
- 収入を得るために必要な道具
- 商品を除く業務に欠くことができない器具
- 実印
自動車税を滞納してしまう時の対処法・注意点
自動車税を滞納してしまった場合、対応したくてもしきれないケースもあります。
また、滞納してしまった場合に注意すべきポイントがあります。
対処法と注意点としては、以下が該当します。
各対処法と注意点について、詳しく解説します。
支払えない場合は各税事務所に相談する手も
自動車税を滞納する理由として、支払うだけの資金がなくやむを得ず滞納するケースがあります。
また、暫くの間海外などに出張に出かけていて、納税できずに督促状なども受け取れない状態で滞納している意識がなくても滞納している場合もあります。
そこで、納税したくても支払えない場合は、各税事務所に相談してください。
各税事務所に相談すると、事情がある場合は分割払いにしてくれることもあります。
車を廃車・一時抹消している場合は支払わなくて良い
自動車税は、4月1日時点の車の所有者が納税しなければなりません。
ただし、4月1日時点で車を廃車したり一時抹消したりしている場合は支払う必要がなくなります。
また、抹消や廃車をしたタイミングまでの自動車税月割でよいため、不要な場合は早急に手続することをおすすめします。
自動車税の滞納についてのよくある質問
ここでは、自動車税の滞納についてのよくある質問について解説します。
滞納した場合はどこで払うの?
自動車税の延滞金が必要な場合、支払い後に延滞金分の納付書が届きます。
この納付書に従って、指定の方法で支払わなければなりません。
自治体が実施している対応については、管轄の税事務所窓口やホームページなどで確認可能です。
差し押さえられるまでの期間は?いつまで滞納できる?
差し押さえが発生するまでの期間は、法律上では自動車税の納付期限から20日以内に督促状が送付され、督促状送付日から10日経過しても支払いが確認できない場合は財産が差し押さえられるとされています。
まとめ
自動車税は、車を維持するためには必ず負担しなければなりません。
大型の車になればなるほど納税額が増えるため、場合によっては支払いが厳しくなるケースもあります。
ただし、自動車税を滞納すると追徴課税が課され、最悪の場合は財産差し押さえとなるため適切に納税してください。
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