みなさんこんにちは。埼玉県入間郡三芳町にある、ミニバン専門店ラインアップ代表の菊池です。
トヨタの最上級ビッグミニバン・アルファードは大きなボディサイズと広い車内空間で文句無しのミニバンですが、維持費がとても高いイメージが強く、候補から外してしまうかたも多いのではないでしょうか?
アルファードといっても、排気量やグレードの種類によっては、維持費がそこまで高くならないケースもありますので、今回はアルファードの実際の維持費を詳しく解説したいと思います。
Q:アルファード10系の維持費は年間でいくら位なの?
A:自動車税51,000円+ガソリン代225,000円前後(年1万キロ走るとして)+オイル代12,000円前後+駐車場代132,000円+任意保険74,400円前後=およそ50万円です。
また、2年毎にある車検代が重量税45,600円+自賠責保険27,840円+印紙代1,800円と車検整備費用等を含めて合計10万円~20万円(タイヤ等の交換部品によって変動)ほど掛かります。
(年齢26才~29才、3000ccグレードで、年間1万キロ走り、オイル交換は5,000kmに一回交換するという設定での金額。)
(またガソリン代はレビューサイトに投稿されている実質燃費の平均である6km/lと、埼玉県のハイオク平均1㍑単価133円で計算しております。)
(駐車場代は埼玉県の月極駐車場平均価格11,202円(年間およそ132,000円)で計算しております。)
アルファード10系には2400ccのグレードと3000ccの上位グレードがあります。参照【アルファード 口コミ】H14年式~H17年式、アルファード10系、前期型
アルファード2.4 | 45,000円 |
アルファード3.0 | 51,000円 |
年齢 | 車両保険 | 金額(金額) |
---|---|---|
26才以上 | 無し | 74,440円 |
有り | 156,200円 | |
30才以上 | 無し | 71,200円 |
有り | 149,400円 |
自動車税と任意保険料などはご自身に当てはめて置換えて下さい。
また「そもそも維持費って何?」「何が掛かるのか自体よくわからない・・」そんな方はページ下部に詳しい説明がありますので御覧下さい。
アルファードに乗りたいけど維持費高かったら買えないしなぁ…とお考えの方!
「アルファードみたいな高級ミニバンに乗って家族みんなで優雅で快適な旅行にも連れて行ってやりたいしなぁ」と・・・お子さんや奥さんの笑顔を思い描いた事があるあなた。
なんとか実現してみたいところですよね。
しかし上記を見ると年間50万円の維持費と、少々びっくりする金額かと思います。
しかし!それが本当に高いのか?詳しく考察してみたいと思います。
例えば同じトヨタの5ナンバーサイズミニバン「ノア・ヴォクシー(70系)」と比較してみましょう!
アルファード3.0 | ノア・ヴォクシー | |
---|---|---|
自動車税 | 51,000円 | 39,500円 |
ガソリン代 | 225,000円 | 122,000円 |
オイル代 | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
駐車場代 | 同じ | 同じ |
任意保険 | 74,400円 | 66,400円 |
アルファード3.0 | ノア・ヴォクシー | |
---|---|---|
車検代総額 | 10万円~20万円 | 8万円~17万円 |
(ノア・ヴォクシー70系はアルファードとは違いレギュラーガソリンで走りますので埼玉県のレギュラー平均1㍑単価122円と、レビューサイトの実質燃費平均の10km/lで計算しております。)
ノア・ヴォクシー70系の重量税はエコカー減税があるため20,000円となります。
その他、自賠責保険料、印紙代はアルファードと全く同額になります。
高級車アルファードは年間で50万円前後掛かりますが(車検代別途)、ノア・ヴォクシーのような経済的にあまり余裕の無い若い家族用にランニングコストも考慮して作られたリーズナブルなミドルサイズミニバンでさえも年間37万円前後掛かります(車検代別途)。
2年に1回の車検代は整備内容が同じだった場合、パーツ単体ごとの差額(例えばタイヤ代はアルファードの方が少し高い)と法定費用差額で4~5万円前後の差になります。
50万円と37万円・・・・確かに値段に差がありますが、どちらにしてもびっくりするくらいのランニングコストです。
「え!?クルマ持っているだけでこんなにお金掛かるの?!じゃあもう、クルマを使うの止めようかなぁ・・・」・・・と、そんな生活もあります。
しかし、現代社会で移動する場合は何かしらの形で必ずコストが掛かり、安上がりなら不便が伴う事が多くなると言えます。
維持費だけで見るならメリットは無いアルファード。ならどんなメリットがあるんだろう?
こんな現実を突きつけられると「あ~もうこれじゃ出来るだけ安いミドルサイズにするか~・・・。いっその事NBOXやタントのような軽自動車でも良いんじゃないかな?」そんなふうに思う方もいらっしゃるでしょう。
確かにランニングコストしか考えないなら軽自動車を選ぶべきです。維持費の安さは圧倒的です。
アルファードのような大型ミニバンのメリットは
- 軽自動車では原型を留めないほど潰れてしまうような大惨事に見舞われても、頑丈な躯体は乗員を守り、生存率・安全性が抜群に高い。
- エンジンがハイパワーなので低回転で静かに走れる。
- 軽自動車では揺すられすぎて頭が痛くなるような地面の凹凸でも、重たい車体や高性能なサスペンションのおかげでほぼ影響を受けない。
- まるで豪華なリビングルームに居るような広大な居住性。
- 運転が疲れにくい。
- 疲れにくいので、心に余裕のある運転が可能で、それに伴ってより安全運転ができる。
つまり「安全で静かで広く遠出しても疲れにくい」これこそがアルファードのメリットなのです。
それは家族みんなで旅行に行ったり、レジャーに出掛けたりと・・・そしてその根底には「お子さんの笑顔のため」そんな背景があったのではないでしょうか?
広い公園でお子さんが小さな体で元気に走り回り、パパママも一緒に走り回って、意味なんか関係なく笑って、大声で泣いていたことですら、やがてお子さんが巣立つ頃にはとてもかけがえのない「思い出」となっていると思います。
「思い出」は目的地だけではありません。移動中の時間もまた「思い出」の瞬間です。
そんなお子さんとの大切な時間がガッタンガッタン凹凸に突き上げられ、フル乗車ならギチギチになってしまう狭い軽自動車で良いのでしょうか?
「思い出」は大人であるあなたと奥さんだけが振り返るだけじゃなく、お子さんがやがて大きくなって振り返った時も、そこにはできるだけたくさんの「思い出」を残してあげたいですよね。
そもそも維持費って何?
クルマは所有しているだけでお金が掛かります。
つまりクルマを所有している状態を「維持」するために掛かる「費用」を「維持費」と言います。
では実際にどんな費用がかかるのか具体的に検証したいと思います。
年に1度の納税「自動車税」
自動車税とは、毎年4月1日午前0時の時点で自動車の所有者もしくは使用者に対し、課税される税金です。
税額は軽自動車・1000cc以下・1000cc~1500cc・1500cc~2000cc・2000cc~・・・という具合に排気量500ccずつにランク分けされ、税額を決定されます。排気量が大きくなればなるほど税額が上がります。
また電気自動車やハイブリッドカーなどの低公害車はエコカー減税が適用されます。
また、ナンバープレートが5ナンバーのクルマは3ナンバー車よりも税額が安いと思われる方がおりますが、ナンバープレートの区分で税額が変わる事は一切ありません。排気量だけで税額は決定されます。
参照 3ナンバーと5ナンバーの車幅と税金の違いを分かり易く解説。
乗れば乗るほど掛かる「ガソリン代」
家族みんなで快適に旅行やレジャーに行ける広い「ミニバン」と言えば最小でもノア・ヴォクシー・ステップワゴン・セレナのような5ナンバー枠ギリギリサイズの「ミニバン」だと思います。
それ以上のサイズではエスティマやアルファードなどの大型の「ミニバン」があります。
シエンタやアイシス、フリードのような普段は折りたたんでおくような小さな狭い3列目シートが付いた小型ミニバンは、独断ですが居住性がそれに満たないと判断します。(ミニサイズミニバンの実際の広さについて書いた記事があります。参照 ステップワゴンとフリードで迷うパパママは必読。家族の為に正しい選択ができるよう多角的に徹底比較。)
「家族みんなで快適に旅行やレジャーに行ける広いミニバン」の実質燃費は、最も燃費の悪いアルファードのような大型ミニバンの6km/l前後から、最も燃費が良い比較的高年式のノアやセレナのような5ナンバーサイズミニバンの10km/l前後と、最悪から最良まで比較すればせいぜい4km/lくらいの差になります。
年間1万キロ走る場合、年間で掛かるガソリン代は大型ミニバンであるアルファードで225,000円、5ナンバーサイズミニバンで122,000円となり、およそ10万円の差となります。(上記表参照)
月間に換算すると8,400円くらいの差になります。1日あたりに換算した場合は280円前後となります。
✅ワンポイント・ガソリン代を安くする方法!ガソリンスタンドのキャッシュカード
ほとんどのガソリンスタンドにキャッシュカードという事前入金式のカードがあります。
後払いのクレジットカードとは違い審査なども必要なく給油に行ったその日に2~3分で手続きが終了します。
例えば出光の「出光キャッシュプリカ」、JAの「JA-SSチャージ式プリカ」などがあります。
現金払いよりも店舗によって多少異なりますが平均1㍑あたり2円ほど割引になります。
✅ワンポイント・燃費を簡単に向上させる方法
タイヤの空気圧を基本値よりも1~2kgf/cm2高めに設定
するとタイヤの転がり抵抗が減り燃費が向上します。
但し僅かに制動力が下がりますので自己責任にてお願いします。
エンジン回転数を1500回転以上回さないアクセルワーク
アクセルを0.1mm単位でじわ~と踏みます。
特に停止状態から発進する時グイッと踏んでしまいがちですが、これもまたじわ~と踏みます。
最初は遅いので、二車線道路なら隣のクルマはあっという間に先に進んでしまい焦ってしまうと思いますが、グイッと踏みたい気持ちは堪えて(こらえて)1500回転以下をキープします。
数秒後にはだんだんと速度が上がります。
「最初は遅い」と上記で書きましたが、それは周りに迷惑が掛かるほどではありません。
またこのアクセルワークなら同乗者が車酔いしなくなるというメリットもあります。
低燃費タイヤ・低燃費オイルなどを使ってみる
タイヤもオイルも消耗品ですので交換時に普段使っているものより料金に大差なければ使ってみましょう。
あまり高すぎると燃費で浮いた分で相殺できない場合があります。
都会ほど高くなる「駐車場代」
自分の所有する土地を駐車場にする場合は無料ですが、月極駐車場の場合、月々不動産屋に払う料金が発生します。
月極駐車場の料金は、駐車するクルマが5千万円するフェラーリであっても5万円で買った解体寸前のクルマでも全く同額です。
エリアがどこかによって料金は変わり、都会になればなるほど高額となり、逆に人口が少ない区市町村ほど安くなります。
年齢が若いほど高くなる「任意保険」
任意保険とは?
任意保険とは、車検時に強制加入する自賠責保険とは別で、任意で加入する保険です。
自動車事故に関する損害賠償金を保証するもので、万が一の事故の場合は相手の車両の損害や運転者の怪我や死亡に対して保険金が支払われます。
加入は任意ですが、万が一相手を死亡させてしまった場合1億円近い賠償金の支払いが必要な場合もあり、クルマを所有する以上、最低限のマナーであると筆者は思います。
また自分自身の車両の損害を保証する「車両保険」は万が一の自損事故も保証されますが、年間・又は月間にあなたが支払う保険料は2倍くらい高くなりますので安く買った中古車の場合、必要無いとも思います。
参照 安い中古車でも車両保険に入るべき?具体的ケースで悩みをスッキリ解決
年齢によって料金が大きく変わる
任意保険は年齢が若ければ若いほど高額となります。
また事故を起こさず1年、2年、3年・・・・と1年経過毎に「等級」が上がっていきそれに伴い料金が割引されます。
但し事故を起こし保険を使って賠償金を支払った場合、等級が一気に3つ下がります。
事故を起こしても保険を使わなかった場合は等級は変わりません。
下記の表は保険料をシュミレーションできるサイトで、「等級」や「運転者限定」など同じ条件で「年齢」だけを変えて計算してみました。
因みに等級は「5等級」、限定者割引は「家族限定」にしました。
20才未満 | 245,900円(月々20,600円) |
21才以上 | 123,500円(月々10,400円) |
26才以上 | 74,400円(月々6,300円) |
30才以上 | 71,200円(月々6,100円) |
まとめ
「私たち家族ではミドルサイズで十分!」と仰る(おっしゃる)方なら当然ミドルサイズミニバンを選択すべきでしょう。
同時に「アルファードは維持費なんか関係ないほど魅力的だ!」と仰る方はもちろんアルファードを選ぶべきです。
ただ、「アルファードはとても魅力的だが維持費が尋常でないほど高いんじゃないか?だから5ナンバーサイズミニバンで妥協しておこうかなぁ・・・」とお考えの方、ある程度の目安を立てて計算をすると、ミドルサイズと比べて年間15~16万円前後だけ高いという事がわかります。(年に1万キロ走る場合)
月間に換算した場合12,500円前後の差になります。さらに1日あたりに換算した場合417円前後の差になります。
維持費だけで見るならアルファードに全くメリットはありません。しかしあなたは何故アルファードに興味を持ったのか?
上記でも書きましたが、お子さんの為、家族の為だったのではではないでしょうか?
関連記事▶ついに手が届く!【アルファード10系・後期型】を徹底解説
家族みんなでアルファードに乗って旅行に行く事をイメージした時、リビングルームのような広くて快適な後部席でお子さんや奥さんが笑顔ではしゃいでいる・・・そんな姿が自然と思い浮かんだ事もあるのではないかと思います。
上記の値段差を見て、高いと感じるか、または安いと感じるかは、あなたを取り巻く環境次第ですが、「え!?これなら安い!今までイメージだけでとても高いと決めつけていた!」と感じて頂けたなら、妥協しないでアルファードを選んで良いのではないでしょうか?
今回の記事が、あなたの車選びに役立てばばうれしいです。
最後までお読みいただき本当にありがとうございました。