みなさんこんにちは。埼玉県入間郡三芳町にある、コミコミ80万円以下のミニバン専門店、ラインアップ代表の菊池です。
テレビCMで見かける「ID車両」
スタイル抜群の女性モデルが美しいバッティングフォームでボールをかっ飛ばすシーンが印象的だと思います。
ただこのCM、可愛い女性が凄いスイングをするというギャップの凄さばかりが印象に残ってイマイチ「ID車両」が何なのか、15秒のCMではわかりにくいと思います。
中古車は一台として同じものがなく、程度が良いものもあれば、程度が悪いものもあり、素人のあなたが程度の良し悪しを見極めるのは難しいと言えます。
「安く買ったけど故障ばかりで高くついた…」「営業マンは無事故車と言っていたのに実は事故車だった…」「クルマの事は良く分からないから目安となる評価基準が欲しい」
中古車と言えども安い買い物では無いですから、ご予算の中で最大限、程度が良いものを手に入れたいですよね?
そんなあなたにピッタリなのが「ID車両」。今回はID車両について分かり易く解説したいと思います。
ID車両とは?
中古車販売店とは直接関係のない「NPO法人JAAA日本自動車鑑定協会」に所属するクルマ鑑定のプロが第三者目線で中古車のコンディションを評価し、その内容を詳細に記載した「鑑定書」発行します。
その「鑑定書」が付いた中古車を「ID車両」といいます。
このシステムの主催は中古車情報サイトグーネット(Goo-net)です。
関連記事>Gooネット、カーセンサーネットで格安中古車を選ぶ時はココに注意!ネットだけでは知り得ない事とは?
中古車販売店がNPO法人JAAA日本自動車鑑定協会を仲介するグーネット(Goo-net)に鑑定料を支払い、後日JAAA日本自動車鑑定協会の鑑定士が店舗まで訪問し、商品車を鑑定します。
販売店とは利害関係の無いJAAAの検査員は、徹底して公正に鑑定し、鑑定書を発行します。
上記の鑑定書サンプルに「Goo鑑定」というロゴがあります。
グーネット(Goo-net)では鑑定をする事を「Goo鑑定」と名称し、そのGoo鑑定を受けた商品車を「ID車両」と名称しました。
ID車両で何が分かるの?
✅走行距離が実走行距離か否か
✅フロントガラスの飛び石などによるキズをチェック
✅ハンドルやダッシュボード、メーター類のチェック
✅異臭やシートの汚れ、破れなども確認
✅エンジンルームのオイルや冷却水の漏れのチェックに加え、異音などを確認
✅アイドリング時やアクセル時にエンジンにカラカラ音などの異音が無いか確認
✅トランスミッションの変速ショックの確認
✅骨格の修復歴を確認修復済みの場合、その程度をチェック
✅ピラーに修復跡が無いかを確認
✅パワーウィンドウが正常作動するかを確認
✅ホイールのキズやタイヤの溝をチェック
✅リアトランクの下をチェックし、修復跡や波うちが無いかを確認
✅外装のキズや塗装の状態を確認
✅マフラーの状態を確認異常音の有無や排気をチェック
✅外板に隠れた骨格部分を確認
こんなあなたにID車両はオススメ!
わかりやすく言えばID車両とは、良質なものは「良質」だと、粗悪なものは「粗悪」だと、双方に利害関係が全くない第三者がそれを証明してくれるシステムです。
そんなシステムが特に必要な人はどんな人なのか?
1.大きな事故歴有の車は避けたいという人
下記は悪徳中古車屋がよく行う手口です。
悪徳中古車屋営業マン:「このクルマね、右フロントのフレーム修正しているんですよ。フロントフレームの軽い修正だから、そんな大した事故じゃないんでね、走行上はなんの問題も無いですよ。」
フロントフレームを修正するような事故とはどんなものなのか?
それはクルマのボンネットが半分潰れるような大クラッシュ事故です。
大金をかけてきちんと直さない限りは走行上問題がでるケースがほとんどです。
当然大金をかけて直したら安価で中古車販売されることはありません。
本題に戻りまして、悪徳中古車屋は「フロントフレーム」という一般人には聞きなれない、知らないだろうという事をわかっていながらワザと使い、大した事故歴ではないと虚偽の説明をして、修復歴に関して了承させるというとても悪質な手口です。
うっかり「修復歴に関して納得し了承した上で購入しました」なんて覚書を書かされたら、後日クレームを入れることもできません。
しかしID車両ならば、鑑定書にフレーム修正の記載がされるのはもちろん、修復歴の大きさ度合いを示す「軽度」「中度」「重度」でランク分けされ、フレーム修正が入るケースでは間違いなく「重度」の修復歴と記載されるので、上記のようなお客を騙すような不正行為は一切できません。
2.買おうとしている中古車の欠損箇所や部品名を説明されても何が何なのかさっぱりわからない人
当店では、当店でクルマを購入しない方からも購入相談を受けることがあります。
先日、とある女性から電話がありました。
「私、免許とったばかりなんですが、近所の中古車屋さんで50万円でクルマを買おうと思ったんですけど、営業マンが『ナントカっていう部品が壊れていて、ナントカっていう箇所が歪んでいて、現状のままで良いなら45万円でいいよ』って言われたんです。そんな事言われても私全然わかんなくて、そんな状態でも買っても問題ないのか教えてほしいんです。」
中古車のプロとしてこの女性は今とても危険な事をしようとしている、そう思いました。
まず部品の欠損や損壊がある状態の中古車を買って良いのは『クルマを自分で整備出来る人」だけです。
その損壊箇所だけじゃなくそれが起因して他の箇所にも影響が出てしまう事もあります。
その女性は説明された部品が何なのか分からないだけでなく、初めてのクルマ購入で不安だらけだと言っていました。
そんな何もわからない方が半分壊れた中古車を買おうとしているのです。
納車後どんな事になるか目に見えて分かります。
しかし、もしもその車両がID車両だったどうでしょうか?
クルマに関して全く知識がない人でも買って良いものなのか、止めたほうが良いものなのか、誰にでもわかりやすくなります。
3.過去に中古車で痛い目にあった人
「値段が他と比べて格段に安かったんだ・・・」
値段だけで中古車を選び、後に惨劇に見舞われるユーザーは多くおります。
相場よりも尋常ではないレベルの激安車を買ってしまったが為に、1ヶ月もしない間に致命的な故障に見舞われ、修理代に何十万とかかってしまった・・・。
または、走行不明車を買ってしまった事で距離に応じた交換部品の交換サイクルが分からず、それが原因で大きな故障に繋がってしまった等。
泣く泣く大金を払って直した後にも細かい故障が相次ぎ、修理で預けてばかりで、もしかしたら代車に乗っている方が多いんじゃないか?そんな人も多いと思います。
関連記事>【プロが教える】格安中古車が危険である理由と見極める方法
安く買ったはずなのに修理代が何十万とかかり、「だったら初めからもう少し予算を上げて状態の良い中古車を買っておけばよかった!」
粗悪車を買ってしまった事で始まる負のスパイラル。
こんなのは絶対に嫌ですよね。
どれだけきっちり納車前に整備を行っても、元が悪過ぎる為に、整備なんか関係なく故障・・修理・・数週間乗ってまた故障・・・修理・・・またまた故障・・・・となる場合があります。
鑑定書に状態が良いとされていれば、かつてそんな思いをした人も安心して中古車を購入できます。
もし今、ミニバンの中古をお探しなら、全車に鑑定書が付いた安心して乗れるID車両のみを取り扱っている当社の豊富なミニバン在庫情報をぜひご参考までにご覧ください。
4.遠方で現車を見られない人
先日北海道にお住まいの方からお電話がありました。
「そちらのお店で買いたいんですけど、なんとかしてそちらに行かないで実際にクルマ(現車)を見てから買う方法無いですかね?」
若いご夫婦で北海道から埼玉県まで渡航する金銭的な余裕など無いし、その上ご主人が仕事が忙しくて行く暇もないとの事でした。
当店は、遠方のお客様からも買って頂く事は多く、その場合はメールでお送りした詳細な写真と動画で確認して頂き、さらにID車両の鑑定書で確認して頂いております。
店舗関係者だけがどれだけ「状態最高ですよ!」「良質な中古車しか扱わないんですよ!」などと言ってもそこに信憑性は一切ありません。
2017年現在でも悪徳中古車屋は未だに多く存在します。
むしろ真面目なお店よりも悪徳店の方が多いくらいです。
ユーザーは中古車販売店なんか信用できなくて当然だと思います。
しかし中古車販売店とは全く利害関係がない第三者が状態を明確にしてくれたらいかがでしょうか?
「写真も動画も見たし、鑑定書の評価も良いし、それなら間違いない」と安心できるのではないでしょうか。
参考記事▶他県・遠方の販売店から中古車を通信販売で買う方法と注意点
クルマ業界に関わった事がある人には無用?!
例えばクルマの板金屋さんや整備士などクルマ業界に深く関わった人なら実車を見ればある程度その状態の善し悪しを判断できます。
中古車のプロでも走行距離改ざんだけは車体に残された痕跡だけでは見抜くことはとても困難ですが、普段乗る中で異音や匂い、ハンドルなどから伝わる感触、日常点検などで、車体のコンディションがある程度判るため、距離に応じた交換部品の消耗度なども判断できます。
クルマに詳しい人なら、万が一、壊れても自分で直せる訳ですから、中古部品などを自分で見つけて、自分で交換修理するなどで、車体本体も安く買ってその後も安く直せるので結果的には一番安上がりになる事が多いと言えます。
しかし、一般の方にはほとんど不可能ですし、分からないのになんとなく作業したらますます壊すこともあります。
ID車両は粗悪車は粗悪車と鑑定されてしまうので、粗悪車をわざわざID車両鑑定する中古車販売店はほぼ存在しません。
その為ID車両のほとんどは状態の良いものになりますので、結果車体本体はやや割高になります。
しかし、購入時は割高であっても、金銭的に数年間乗ったトータルで「得」である為には、故障無しで数年間乗れたID車両が一番安く上がるという場合が多くあります。
ID車両と非ID車両 比較表
走行距離 | |
---|---|
ID車両 | Goo鑑定で保証された実走行距離。 |
非ID車両 | 実走行かどうかは店舗営業マンの口頭説明のみ。証明するものは何一つ無し。 |
機関状態 | |
ID車両 | 鑑定士による公平な評価に基づいた事実。 |
非ID車両 | 店舗営業マンによる一切の根拠がない「状態最高ですよ!」という口頭説明のみ。 |
内外装状態 | |
ID車両 | 鑑定書にて細かいキズや汚れなども詳細に記されており一目瞭然。 |
非ID車両 | 自分自身で判断。写真ではキズ凹みは映さず、出来る限り隠そうとする販売店が多い。 |
修復歴の真偽 | |
ID車両 | 鑑定士による公平な鑑定に基づいた事実。「軽度」「中度」「重度」修復の度合いも表示。 |
非ID車両 | 店舗営業マンによる一切の根拠がない「事故歴ありません。」「軽い事故だから大丈夫」という口頭説明のみ。 |
何故こんなにもユーザー目線で画期的なID車両が普及されないのか?
ID車両であればユーザーは買いやすい。ならば全車ID車両にした方が中古車販売店にも有利なのでは?と思いますね?
しかし現在のID車両普及率は3割程しかありません。
上記は2017年3月12日のグーネット(Goo-net)パソコン版に表示されたものをスクリーンショットしたものですが、緑の枠の中を御覧下さい。
全国の中古車販売店のほとんどがグーネット(Goo-net)に掲載をしていると言っても過言ではありません。
その為、枠内の数値はほぼ日本中にある中古車全てと考えて良いと思いますが、全国で408,292台掲載車両がある中、ID車両なのは僅か125,682台です。
何故7割もの中古車が非ID車両なのか?
理由は2つ。
- 鑑定する毎に料金がかかる。
- 粗悪車だった場合、粗悪であることを証明してしまう。
ここでお話が少々脱線しますが、商売で儲かるにはどうしたら良いか?
その方法のひとつとして「安く仕入れて相場よりも安い価格を付けて、競合他店よりも多く売る」という発想があります。
しかし、中古車販売においては、たくさんの競合店同士が中古車オークションで競り合って商品車を仕入れます。
深い知識と卓越した目利きを併せ持った仕入れ担当者同士の競り合いです。
その為、同じような年式で同じような状態の中古車はだいたい同じくらいの販売価格になります。
(逆に仕入れ担当者に知識や経験が少ない事で段違いに高くなってしまう事は割りと多くあります。)
なので普通は相場よりも爆発的な激安価格で販売する事はほぼ不可能なのです。
しかし2つだけそれを現実にする方法があります。
①一つ目は、致命的な大事故歴のある重度の修復歴車を激安で仕入れ、「無事故車」または「事故歴はありますが軽いもので走行上問題ありません」と言って競合他店より安い価格で売る。
②二つ目は、見た目が比較的きれいな20万~30万キロ超えの過走行車を激安で仕入れ、メーターを3万キロくらいまで巻き戻して競合他店より安い価格で売る。
中古車を買う際に値段しか見ないユーザーはほぼ全員騙されてしまいます。
関連記事>「中古車の走行距離」信じて良いのか?改ざんの手口と対策方法とは。
しかし、ID車両はそんな不正は全て白日のもとに晒されます。
大事故なら容赦なく「フレーム歪み有り」等と書かれ、走行距離改ざんなら鑑定書に実走行距離を書かれてしまいます。
何故ID車両にしない店が多いのか?それは値段しか見ないユーザーに応えようとする運営スタイルの店がそれをやってしまった場合、知られたくない事実が全て明らかになってしまうからという事が理由の一つと言えます。
ID車両に見せかける悪質行為にご注意
ユーザーの心理として「より安く、より状態が良く、尚且つID車両」なら最も好ましいのではないでしょうか?
しかし、中古車業界に限らず全ての業界で商品の品質が良くなればそのぶん金額も高くります。
良いモノ・人気のあるモノは皆が求めるので当然高くなる、悪いモノは誰も求めないので安くなる。
その為「ID車両」ではない商品車をあたかも「ID車両」のように見せかける悪質な中古車販売店が存在します。
2017年現在、中古車販売店の展示場にID車両のイメージキャラクター「稲村亜美」さんがプリントされたのぼり旗が立っているのをよく見かけると思います。
こののぼり旗はID車両が1台もない販売店でもグーネット(Goo-net)掲載店であれば無料でいくらでもグーネット(Goo-net)から貰えます。
その為、ID車両が1台もない中古車販売店でもID車両ののぼり旗が立っている事があります。
また展示車の一部の数台だけがID車両で残りは非ID車両という店も多くあります。
グーネット(Goo-net)には50台掲載している中、実際にID車両は5台しか無い。そのため「全車ID車両」とは言わず、「うちはID車両ですから安心ですよ」とグレーゾーンで騙してくる悪質な中古車販売店もあるので注意が必要です。
関連記事>中古車屋の良し悪しを見極める方法+チェックシート付
ID車両には必ず「鑑定書」が付きます。
中古車を購入する際は必ず「ID車両の鑑定書を見せて下さい。」と言いましょう。
下記写真のように、商品車窓に鑑定書が貼ってある販売店での購入が安心感が強く、間違いない中古車選びが出来ます。
全車ID車両の中古車販売店がベスト
ユーザーにとって本当に役に立つ、生活をプラスに変える、そんな商品を提供したい、そんな経営方針の中古車販売店も当然存在します。
逆に納車後ユーザーがどうなろうが知ったことではないという発想で、粗悪車で利益を得る悪徳店も存在します。
販売店がどんな経営方針なのか、それは社長や代表者の人間性や性格に依ってしまいます。
上記で説明した通り粗悪車をID車両にしてしまうと粗悪であることを証明してしまいます。
優良店はユーザーにとって役に立つ、生活をプラスに変える、お薦めできる商品車しか仕入れません。
だから全車ID車両にできます。
それはその販売店の「性格」と言ってよいと思います。
性格の良い人ならぬ店だから全てにおいて親切に対応してくれます。
「全車ID車両」である事はその人ならぬ店の性格を表しており、購入後も長く良い付き合いが出来る優良店と言えます。
まとめ
ID車両とは中古車販売店とは直接関係のない「NPO法人JAAA日本自動車鑑定協会」に所属するクルマ鑑定のプロが商品車のコンディションを詳細に評価し、その結果を鑑定書にし、その鑑定書が付いた中古車を指す。
ID車両が必要な人は・・・
- 大きな事故歴有の車は避けたい人
- 買おうとしている中古車の欠損箇所や部品名を説明されても何が何なのかさっぱりわからない人
- 過去に中古車で痛い目にあった人
- 遠方で現車を見られない人
ID車両は粗悪車は粗悪であることを証明してしまうため、粗悪車を扱っている店は導入しづらい
2017年3月現在ID車両の普及率は僅か3割ほど。
全車ID車両である事はその店の「性格」を表している。
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
この記事があなたの車選びに少しでもお役に立てば嬉しく思います。
最後までお読みいただき本当にありがとうございました。