中古車購入で気をつけたい「リスクのある車」チェックポイント

中古車購入で気をつけたい「リスクのある車」チェックポイント

みなさんこんにちは!埼玉県にある「ミニバン専門店ラインアップ」代表の菊池です。

中古車を購入する場合、新車購入時とは異なり状態が千差万別であり優良なものをみつけて購入できるかが重要です。

実際に、中古車の中には状態が悪い車が高い金額で販売されているケースもあるのです。

では、リスクが高い車がなぜ市場に出回っているのでしょうか?

本記事では、中古車購入で気をつけたい、リスクのある車のチェックポイントを解説します。

この記事を参考にして、絶対にリスクの高い車を購入しないように注意しましょう。

タップできる目次

1.    まずは全体像を把握!リスキーな中古車が出回る背景

中古車を購入する際には、新車と違ってコンディションがバラバラである関係上、少なからずリスクがあります。

さらに、車の性能や見た目に大きく影響する車も市場に流通しているのが実情です。

では、なぜリスク車両が市場に流れ込んでいるのでしょうか?

ここでは、リスキーな中古車が出回る背景について詳しくみていきましょう。

リスク車両が市場に流れ込む理由

中古車市場においては、毎日膨大な数の車が流通しています。

その中には、「修理履歴のある車」や「事故や冠水などトラブルを抱えた車」も含まれます。

こうした“リスキーな車”が混在する背景としては、車の回転サイクルが速く、台数が多いためです。

日本では、車検制度や税負担などの理由から、一定の期間で車を乗り換えるユーザーが少なくありません。

車検には年数が経過すればするほど費用がかかる傾向にあり、車検のタイミングで手放す人が多いものです。

また、自動車重量税は新車の新規登録より13年経過すると大幅に値上がってしまいます。

ユーザーが手放して買取された自動車は、オークションや専門業者を経由して、全国各地に転売されます。

これと同時に、問題のあるリスク車両も同じ流れで市場に出回りやすいのです。

ほかにも、リスクがある車両が市場に出回る背景には、「修復」や「再生」をビジネスにする業者の存在が挙げられます。

大きな事故や冠水などにより全損に近い状態であっても、一部の修理工場や業者が車体を大きく手直しして「修復歴車」として再販するケースがあります。

こうした再生・修復ビジネス自体は違法ではなく、車のリユースという観点では悪いことではありません。

また、上手に修理して正直に状態を伝えている業者も多いです。

ただし、致命的な問題点を隠して高値で売ってしまう悪質な例も混在しているのが実情です。

悪質な業者だけが原因ではない?

リスキーな中古車が出回る理由には、悪質な業者だけが原因ではありません。

意図的に隠す場合だけではなく、出所が不明なまま転売されるケースもあります。

あくまでも車の転売により利益を出そうと考えている場合、車の素性まで確認しないものです。

以上により、悪意があるわけではないもの、結果としてリスキーな車両が市場に出回ってしまう場合があります。

2.    水没の痕跡を見逃すな!冠水車が抱える深刻な問題

リスクがある中古車として、水没した車が挙げられます。

水没した場合、車内にカビや細菌が発生してしまうため、不衛生な状態の車が多いです。

また、エンジンや各種電子デバイスにダメージを与えるケースがあり、徐々に劣化して最終的に故障に至るケースがあります。

水没車の場合、タイヤの半分程度の高さまでであれば修理可能である一方、それを超えると安全性の観点から修理が断られる場合もあるのです。

以上から、水没車は避けて購入できるかが重要です。

ここでは、冠水車が抱える深刻な問題や見分けるポイントなどを紹介します。

台風・大雨の後、増加する浸水被害車両

自然災害で一気に発生する“冠水車”とは、一般財団法人日本自動車査定協会の中古自動車査定基準によれば、以下が該当します。

集中豪雨や洪水などにより、室内フロア以上に浸水したもの、または、その痕跡により商品価値の下落が見込まれるもの

冠水者の場合、浸水の程度にもよるものの以下の特徴があります。

  • 通常の使用では発生しない箇所(シートレールやペダル類のブラケット、ワイヤーハーネスのコネクタなど)に錆や腐食がある
  • フロアやシートレールなどに通常の使用では付着しない汚れやシミが発生している
  • 室内やエアコン作動時に泥やカビの臭いがある

冠水車であっても、見た目には分からないケースがあります。

一見動くように見える車であっても、エンジンルームや室内に浸水しているので、エンジンが始動しなくなったり、電気系統に支障をきたしたりするリスクがあるのです。

最悪の場合、車両火災発生の恐れがあるなど、将来的に品質上重大な問題が発生するリスクが高いとされています。

日本では、昨今台風や大雨、ゲリラ豪雨などによって道路の冠水が多く発生しており、これに伴い冠水車も増加傾向にあります。

確認すべきポイントと簡単なチェック法

冠水車は、外見上だけ見ると見分けがつかないケースが多いです。

一方で、内装をしっかりとチェックすれば水没した痕跡が残っている可能性があります。

特に、シートベルトの奥やフロア下など、臭いや泥汚れの残りやすい箇所をよくチェックしましょう。

また、水没してまだ間もない車の場合は完全に車内が乾ききらず、湿気がこもりやすい傾向にあります。

そこで、不自然に車内がジメジメしていないかを確認する方法があります。

ほかにも、ドアパネル内側の泥やサビをチェックすることも重要です。

サビの有無については、以下の部位もしっかりとチェックしておきましょう。

  • シートのスライドレール・スプリング・レールの取付けボルト
  • ペダル類のブラケット、リターンスプリング
  • ステアリングポスト周辺
  • センターコンソール取付けボルト
  • ドアトリムボードの金属箇所
  • シートベルト取付けボルト
  • フロア
  • ワイヤーハーネスのコネクタ
  • シガーライター

五感を研ぎ澄まして、細かく確認すれば水没車かどうかを見分けることは可能です。

冠水車を選ぶメリットはある?

冠水車を保有するリスクを承知したうえで、あえて購入することによって相場より極端に安く入手できるメリットがあります。

ただし、結果として安かろう悪かろうとなり購入して失敗するケースが多いです。

冠水車の場合、冠水の状態によって車に与えている影響が異なります。

よって、どうしても冠水車を購入したい場合は状態を正直に開示している場合のみ検討すべきです。

3. 見落としたくないサビ・塩害の影響

下回りサビ腐食

冠水以外の原因で、車にサビが発生する場合があります。

サビとは、金属が水や酸素などの影響によって酸化したり腐食したりして発生する、皮膜や生成物のことです。

サビが発生すると、金属部分が脆くなってしまうことで、穴が空くリスクがあります。

また、交通事故が発生した場合にボディの強度がサビがない状態よりも低くなるため、より深いダメージを負う可能性もあるのです。

ほかにも、中古車として売却する際に価値が低下するなどの影響もあります。

サビはさまざまな要因で発生しますが、塩害によって加速的に進行します。

ここでは、見落としたくないサビや塩害の影響について解説するので、参考にしてください。

雪国・海沿いは要警戒!塩分が招く下回りの腐食

サビは、塩分によって促進されます。

サビは酸化によって発生し、酸化は金属のイオン化により発生するのです。

つまり、イオン化しやすい性質の金属はさびやすい特徴があります。

塩がサビの発生を促進するのは、塩が水分を吸収しやすい性質があるためです。

水に金属のイオンに溶け出すことで発生するため、塩化カルシウムや潮風が車の金属部分に付着すると酸化しやすくなります

塩化カルシウムが付着しやすい場所が、冬場の雪国です。

凍結を防止するために、道路に散布される凍結防止剤の主成分は塩化ナトリウムや塩化カルシウムであり、下回りに付着してさびの原因となります。

また、海沿いでは潮風によって海水がボディに付着してさびを発生させやすくなります。

よって、降雪地域や海沿いを走行する機会が多い場合、下回りの定期洗浄やアンダーコートによりさびを防止することが重要です。

ここを見れば一目瞭然!サビのチェックポイント

中古車を購入する場合、サビの有無はしっかりとチェックしたいものです。

外装では、傷やヘコミ、塗装の剥がれ、パネル同士の間隔などをチェックしてください。

また、下回りはさびやすい場所であり、ピットやジャッキを使用したり、しゃがんでのぞき込んでマフラーやフレーム、ボルト周りの状態を確認しましょう。

内装については、ドアやクォーターパネルなどの内側部分を確認してください。

サビをチェックする際には、表面的な赤サビなのか深刻な腐食にまで至っているかを判断する必要があります。

さびは、金属表面上に化学作用で生じた酸化物、または水酸化物や炭酸塩などの皮膜のことです。

腐食とは、酸やアルカリ溶液によって表面が化学作用のため侵されて、酸化や溶解などを生じる現象のことです。

赤さびが進行すると、金属がボロボロになって強度や機能を保てなくなり、やがて穴が空いてしまいます。

塩害車の価格は本当に得?

塩害車は、一般的な中古車相場から大幅に安い場合が多いです。

これは、塩害によって車にサビが発生しており、最悪の場合は故障する可能性があり需要が低いためです。

安く購入できるのでお得感があるようにみえる一方で、購入後のメンテナンス負担から考えると決してお得とは言えません。

4. 一番怖い?メーター改ざん車に潜むリスク

トリップメーター

リスクのある車の中でも、1番怖いと言われるのがメーター改ざん車です。

メーター改ざん車とは、自動車のメーターの走行距離などを改ざんした状態の車のことです。

古い時代の車は、アナログメーターであったため容易に改ざんできました。

ただし、近年の自動車はデジタルメーターとなったため、改ざんはほぼ不可能です。

それでも、不正に改ざんを試みている車は存在します。

ここでは、メーター改ざん車のリスクについて解説します。

 メーター故障と改ざんは別物

メーター改ざんとは、文字盤を回すだけで簡単に改ざんできました。

また、スピードメーターと走行距離を計測できる機械が連動する仕組みを悪用し、スピードメーターのモーターを逆回転させて巻き戻す方法が用いられていました。

いずれも、悪意をもって行う不正行為に該当します。

一方で、メーター故障は意図せずメーターが故障した場合を指し、故障よりメーターを交換した場合は改ざんには該当しません

メーターを改ざんされたかどうかについては、以下の方法で確認できます。

  • オイル交換のラベルを確認
  • 車検証とメンテナンスノートを確認
  • タイミングベルトの交換タイミングを確認
  • 走行メーター管理システムを確認

走行メーターの改ざんは、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、不正競争防止法といった法律の違反となるので、注意してください。

走行距離と車両価値の密接な関係

なぜメーター改ざんが行われるかと言えば、キロ数が少なく見えるだけで中古車市場で高値となるためです。

一般的に、普通車の年間走行距離は1年で1万kmと言われています。

もし、平均走行距離よりも多く走行している場合、車の劣化が進んでいるとみられてしまいます。

そこで、メーター改ざんして距離を過小にしていて価値の低下を防ごうとしているのです。

中古車販売店が導入しているチェックシステム

中古車を取り扱う業者は、メーター改ざん車を見抜くためにさまざまな対応を図っています。

特に、オークションの履歴管理や走行確認システムの利用により、改ざんの有無を確認しています。

日本オートオークション協議会が提供している走行メーター管理システムとは、オートオークション会場で出品された中古車の走行距離のデータをデータベース化して、不正を見抜くシステムのことです。

手数料がかかるものの、容易に走行距離をチェックできる便利なサービスです。

中古車を購入する際には、購入前にどこまで改ざんに確認されているのかを確認しましょう。

失敗しないための総合対策と賢い選び方

ここでは、中古車選びを行う際に、失敗しないための対策を紹介します。

同時に、中古車の賢い選び方について解説するので、ぜひ参考にしてください。

安すぎる車には必ず理由がある

相場よりも明らかに安く販売されている中古車は、「訳アリ」と判断するのが妥当です。

実際に、ここまで紹介してきたように冠水車やサビの発生、事故車、メーター改ざん車の可能性があります。

それ以外にも、需要がないために安い価格で販売されているケースもあります。

明らかに安い価格で販売されている場合、店員や販売サイトになぜ安いのかについて説明を求めることが重要です。

 信頼できる業者を探すポイント

状態の良い中古車を、お得な価格で購入する際には信頼できる業者かどうかを見極めることが重要です。

信頼できる業者かどうかを判断するポイントとして、以下が挙げられます。

  • 在庫の種類や数が豊富
  • 整備状況や修復歴を公開している
  • 諸費用の説明が明瞭である
  • 保証やアフターサポートが充実

さらに、車両の下回り写真や点検記録、鑑定書を公開している販売店の方がより信頼できます

また、アフターサポートや保証体制の充実度をチェックしましょう。

リスクを承知で“ワケあり車”を選ぶ方法

ある程度リスクを承知した上で、ワケありの車を選びたい場合もあるでしょう。

この場合、状態と価格差をしっかり理解した上で判断してください。

基本的にワケあり車はおすすめできないものの、短期的に乗るだけであったり部品取り用であったりと、特定のニーズがある場合は割り切って購入するのであれば選択肢となるでしょう。

まとめ:安全と満足を両立させる中古車選び

中古車にはさまざまな経緯を持つ車両が存在します。

一見お得に見える冠水車や塩害車、走行距離の少ない(ように見える)車でも、その裏に隠れたリスクがあるかもしれません。

購入前にチェックポイントを押さえ、誠実に情報を開示してくれる販売店とやり取りすることが大切です。

大きな買い物だからこそ、後悔しないためのリサーチと確認作業を怠らないようにしましょう。

ラインアップでは、全車に第三者機関の鑑定書が付いているので、安心してお買い求めいただけます。

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